空気線図は、ただの『図』ではありません。
現場で「結露するか?」「外気を入れていいか?」「冷房したらどうなるか?」を判断するときに使う、未来を先に読むための道具です。
この章では、空気線図を使って現場判断をどう整理すればよいかを、具体的に解説します。
空気線図は『判断の道具』
空気線図では、空気の状態を「点」で表します。
この点がどこへ動くかを見ることで、未来の状態を予測できます。
- 今の空気はどこにある?(点で見る)
- 操作するとどの方向へ動く?(点の移動)
- その結果どうなる?(未来を予測)
現場でやっていることは、この3つだけです。
基本の使い方(3ステップ)
空気線図を使うときの流れは、とてもシンプルです。
① 今の状態を「点」で見る
温度・湿度を空気線図上の1点として把握します。
② どの方向へ変えるかを考える
冷やすのか、温めるのか、外気を入れるのか。 操作によって点がどの方向へ動くかをイメージします。
③ その結果を先に予測する
点が動いた先で、結露するのか、湿度が上がるのか、乾くのかを判断します。
結露を判断するとき
結露判断は、空気線図の代表的な使い方です。
手順
- 空気の状態を点で見る
- 露点温度を空気線図から確認する
- 相手(ダクト・配管・ガラスなど)の表面温度と比較する
判定式
- 表面温度 < 露点温度 → 結露する
- 表面温度 > 露点温度 → 結露しない
例
室内:25℃・湿度60% → 露点 約16℃
- ダクト表面:14℃ → 結露する(表面が露点より冷たいため)
- ダクト表面:18℃ → 結露しない(表面が露点より温かい)
露点温度の読み方は、次の章で詳しく説明します。
外気を入れる判断
外気導入の判断で見るべきなのは、湿度%ではなく水分量(絶対湿度)です。
■ 判断ポイント
- 外の水分量が多い → 入れるとジメジメしやすい
- 外の水分量が少ない → 入れると乾きやすい
室内と外気の2点を空気線図で比べると、どちらが水分を多く持っているかが一目で分かります。
冷房するとどうなる?
冷房すると、空気線図の上では 「点が左へ動く」 イメージになります。
■ 冷房の基本動き
- 温度が下がる
- 「空気が持てる水分量(飽和水蒸気量)が減る」
(=器が小さくなるイメージ) - その結果、同じ水分量でも相対湿度は上がる
- 点が露点の方向へ近づく
■ さらに冷やすと
点が露点に達したところで、初めて結露(=除湿)が始まります。
ここが重要: 露点に達するまでは除湿は始まりません。
条件によっては、冷房しても湿度が下がらず、むしろ点が露点へ近づき、結露の危険が高まることもあります。
現場でよくあるミス
空気線図を使わないと、次のような誤判断が起きやすくなります。
- 涼しいから外気を入れてよいと考える
- 冷やせば大丈夫と考える
- 湿度の%だけで判断する
- 換気だから入れればよいと考える
これらはすべて、空気を「点」として見ず、 『水分量がどう変わるか』を考えていないことが原因です。
空気線図の考え方
空気線図を見るときに大切なのは、『今どこにいるか』よりも、『このあとどこへ動くか』です。
現場では、空気を「点」として扱い、操作によって点がどう動くかを考えます。 空気線図は、「今」だけでなく「未来」を判断するための道具です。
この章のまとめ
- 空気は「点」で見る
- 操作は「点の移動」で考える
- 結露や外気導入の判断に使える
- 結果は事前に予測できる
- 空気線図は現場判断の道具
- 空気線図は『未来を先に見る道具』である

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次の章では、空気線図の線の意味や、点の正しい読み取り方を解説します。 「どの線が何を表しているのか?」を理解すると、空気線図が一気に使いやすくなります。