やさしい空間のきほん 計装・業務改善

第13章 空気線図もどきを読んでみよう 

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ここまで学んできた 

  • 温度 
  • 水分量 
  • 湿度 
  • 結露 
  • 外気 

これらの話は、すべて 空気線図でひとつにまとめて表すことができます。

空気線図は難しそうに見えますが、 実際に「見る」ことはとてもシンプルです。

まずは、 空気を1つの点として置くところから始めましょう。

以下の Step ファイルを参照しながら進めると、 空気線図の理解がぐっと深まります。

Step1 今の空気を探してみよう 

空気線図もどきでは、まず「空気を1つの点として置く」ことから始めます。

今回は

  • 25℃ 
  • 60% 

の空気を例にします。 

空気線図もどきの中で、 

横軸25℃湿度曲線60%の交わる場所に点を打ちます。 [動く空気線図もどき (step1)  | PDF] 

これが 今の空気の位置=空気の状態 を表す点です。

この点から読み取れること 

  • 温度 (横軸)
  • 湿度 (曲線)
  • 水分量=絶対湿度(縦軸)
  • 露点温度(左端の赤い曲線)  
    ※この赤い曲線より左側に入ると結露します。

空気線図もどきは、 温度 × 湿度 × 水分量 × 露点 をひとつの点からまとめて読み取れる「空気の地図」です。

ここがポイント: 空気は「1つの点」で考える 
まずは、この『点を置く』ことが空気線図の第一歩です。

Step2 冷やすとどうなる? 

STEP2-1 空気を冷やす 

25℃・60%の空気を冷やします。 

すると点は左方向へ移動します。 [空気線図もどき (step2-1) | PDF] 

起きていること

  • 温度が下がる
  • 水分量は変わらない
  • 空気が持てる水分の『許容量(空気の器)』が小さくなる
  • その結果、相対湿度が上がる

ここがポイント: 冷やしただけでは、水分はまだ減らない 

STEP2-2 露点に達する 

さらに冷やしていくと、 

露点温度(約16.7℃)に到達します。 [空気線図もどき (step2-2)  | PDF] 

起きていること 

  • 相対湿度100%(空気の器が満杯) 
  • 空気が水分を持ちきれなくなる 
  • 結露が始まる 

ここがポイント: ここが結露のスタート地点 

STEP2-3 さらに冷やす 

露点を過ぎてさらに冷やします。 

すると余った水分が水滴になります。 [空気線図もどき (step2-3)  | PDF] 

起きていること 

  • 水蒸気が水になる 
  • ドレンとして排水される 
  • 水分量が減る 
  • 点は下方向へ動く 

ここがポイント:これが除湿 

STEP2-4 温め直す 

除湿した空気を温め直します。 

点は右方向へ移動します。 [空気線図もどき (step2-4)  | PDF] 

起きていること 

  • 温度が上がる 
  • 水分量は変わらない 
  • 湿度が下がる 
    (同じ水分量でも、温度が上がると湿度%は下がる)
  • カラッとした空気になる 

ここがポイント: 除湿後に暖めると快適な空気になる 

Step2まとめ 

除湿とは、空気を冷やして結露させ、発生した水を捨てる操作のことです。

空気線図もどきでは、点が次のように動きます。

冷やす(点が左へ) ② 結露する(露点に到達) ③ 水を捨てる(点が下へ) ④ 温める(点が右へ)

この4ステップが「除湿の基本の流れ」です。 

今回の例では、 25℃・60%の空気を14℃まで冷やして除湿し、25℃まで再熱することで、湿度は60% → 50%に下がりました。

つまり、 『冷やすだけでは湿度は下がらず、 結露させて水分を捨てて、最後に温めることで湿度が下がる』 という除湿の本質が、この点の動きで見えるようになります。

Step3 外気を入れるとどうなる? 

夏の場合 

夏の外気は、 

  • 暑い(温度が高い)
  • 水分が多い(絶対湿度が高い)

という特徴があります。 [空気線図もどき (step3-1) | PDF] 

ここで具体例を見てみましょう。

例:室内 25℃・60% / 外気 30℃・60%

一見すると湿度%は同じですが、 空気線図もどきで点を置くと 外気のほうが上(=水分量が多い) 位置になります。

つまり、

  • 温度が高い(右へ)
  • 水分量が多い(上へ)

→ 外気の点は 右上 にあります。

この外気を室内に入れると、 室内の点も 右上方向へ引っ張られる 形になります。

■ 起きていること

  • 温度が上がる(右へ)
  • 水分量が増える(上へ)
  • ムシムシした空気になる

ここがポイント

夏の外気は「熱」と「湿気」をそのまま室内に運んでくる。
湿度%が同じでも、外気のほうが水分量が多い場合は、 入れると室内は『より湿った方向』へ動きます。

冬の場合 

冬の外気は、 

  • 冷たい(温度が低い)
  • 水分が少ない(絶対湿度が低い)

という特徴があります。 [空気線図もどき (step3-2)  | PDF] 

ここで具体例を見てみましょう。

例:室内 25℃・60% / 外気 10℃・60%

湿度%は同じ60%ですが、 空気線図もどきで点を置くと 外気のほうが下(=水分量が少ない) 位置になります。

つまり、

  • 温度が低い(左へ)
  • 水分量が少ない(下へ)

→ 外気の点は 左下 にあります。

この外気を室内に入れると、 室内の点も 左下方向へ引っ張られる 形になります。

起きていること

  • 温度が下がる(左へ)
  • 水分量が減る(下へ)
  • 乾燥しやすくなる

ここがポイント

冬の外気は「冷気」と「乾燥」をそのまま室内に運んでくる。
湿度%が同じでも、 外気のほうが水分量が少ない場合は、 入れると室内は『より乾いた方向』へ動きます。

現場で考えてみよう 

  • 夏に外気をたくさん入れると空調機の除湿負荷が増える 
  • 冬に外気をたくさん入れると室内が乾燥しやすい 

Step3 まとめ 

外気を入れると、室内空気は外気の影響を受けます。 

つまり、 

  • 夏は暑くて湿った方向へ 
  • 冬は寒くて乾いた方向へ 

変化します。  

外気導入は必要ですが、熱や湿気も一緒に持ち込むことを忘れてはいけません。 

夏に外気をたくさん入れると空調機の除湿負荷が増える
冬に外気をたくさん入れると室内が乾燥しやすい
(外気は『温度』と『水分量』をそのまま室内に持ち込むため)

この資料で覚えてほしいこと 

✅ 空気の状態は温度と水分で決まる 

✅ 空気は差があると動く 

✅ 湿度は割合である 

✅ 結露は温度と水分量で決まる 

✅ 空気線図は空気を点で見る道具である 

✅ 点の移動を見ると空気の変化が分かる 

✅ 空調は温度・湿度・気流・換気をコントロールしている 

📥 動く空気線図(無料版)をダウンロードできます

第13章で学んだ 「空気を点で見る」「温度・湿度・水分量の関係をまとめて理解する」 という内容を、実際に“動かして”確認できるツールです。

  • 温度・湿度を入力すると空気の点が動く
  • 絶対湿度・露点も自動で表示
  • 外気と室内の比較もできる
  • 再熱や除湿の変化も視覚的に理解できる

学んだ内容を 手を動かして体感できるので、 空気線図の理解が一気に深まります。

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最後に 

空調の仕事は、機械を扱う仕事ではありません。
空気を理解し、空気をコントロールする仕事です。

空気線図は、見えない空気を「見える化」するための地図。
まずは難しい計算ではなく、「空気を点で見る」ことから始めましょう。

👈 第12章 空気線図を現場でどう使うの?

🗒️ 目次:空気の見方・考え方|〜湿度・結露・換気・空調を「理由で理解する」基礎シリーズ〜

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