「計装って何?」と聞かれて、うまく説明できない…。
実は“計装”は、工場やビルの設備を自動で動かすための“頭脳と神経”のような存在です。
初心者でも3分で読める内容なので、ぜひ気軽に読んでみてください!
“計装”って聞いたことない?3分でわかる入門講座
ずばり、「計」測機器を「装」備し、設備や装置の自動制御・監視を可能にする技術のことです。
1分目:計装とは?
「計」測機器を「装」備して、設備を自動で制御・監視する技術
工場やビルの“頭脳と神経”にあたる存在
たとえば、工場で液体を加熱するとき、温度が高すぎても低すぎてもダメですよね。そこで温度を測るセンサーと、加熱を調整する制御装置が必要になります。これがまさに「計装」の役割です。
計装の基本構成はこの3つ:
- センサー(計測)
温度・圧力・流量などを測る。人間でいう「目」や「皮膚」の役割。 - 制御装置(判断)
測った値をもとに「どう動かすか」を判断する。人間でいう「脳」。 - 操作機器(動作)
バルブやモーターなどを動かして、実際に制御する。人間でいう「手足」。
この3つが連携して、たとえば「温度が高くなったら冷却水のバルブを開ける」といった動作を自動で行います。
なぜ必要なの?
- 人の代わりに24時間正確に動く
- 安全性・品質・省エネを支える
- 工場やビルの“頭脳と神経”のような存在
身近な例でいうと…
- エアコンが自動で温度を調整する
- 電車が自動でブレーキをかける
- コンビニの冷蔵庫が一定温度を保つ
これらすべて、実は「計装」の技術が使われています。
2分目:計装の役割を人体にたとえると?
計装のしくみは、人間の体にそっくりです。計装は、機械や工場に「五感・神経・脳・手足」を与える技術です。
センサー=五感(目・耳・皮膚)
- 温度センサー → 皮膚の感覚
- 圧力センサー → 触覚や内臓感覚
- 流量センサー → 聴覚や視覚のように「変化」をとらえる
→ 人間が「暑い」「重い」「速い」と感じるように、機械もセンサーで“感じる”ことができます。
信号線・通信=神経
- センサーで得た情報は、電気信号や空気圧で制御装置へ送られます。
- これは、目や耳からの情報が神経を通って脳に届くのと同じ。
→ 情報の“通り道”がなければ、感じても判断できません。
制御装置(PLCやDCS)=脳
- 入ってきた情報をもとに「どう動くか」を判断。
- たとえば「温度が高い → 冷却バルブを開ける」といった命令を出します。
→ 人間の脳が「熱いから手を引っ込めよう」と判断するのと同じです。
アクチュエータ(バルブ・モーター)=手足(筋肉)
- 制御装置の命令を受けて、実際に動く部分。
- バルブを開ける、モーターを回すなど、物理的な動作を行います。
→ 脳の命令で手足が動くように、機械も「動作」を実行します。
フィードバック=反射・学習
- 動いた結果を再びセンサーで確認し、「ちゃんと動いたか?」をチェック。
- これが“フィードバック制御”で、人間でいえば「熱いと感じて手を引っ込めたあと、もう一度触らないようにする」ような反応です。
このように、計装は「感じる → 判断する → 動く → 確認する」という一連の流れを、機械の中で再現する技術です。人間の身体にたとえることで、複雑な仕組みもぐっと身近に感じられます。

3分目:どこで使われてるの?
実は、計装は“見えないけど、なくてはならない”技術。私たちの暮らしや産業のあらゆる場所で使われています。
工場・プラント(産業の心臓部)
- 化学プラント:温度・圧力・流量を自動制御して、反応を安全・安定に進める。
- 食品工場:衛生管理や加熱・冷却の温度制御で品質を守る。
- 製薬工場:わずかな温度差や流量の変化も厳密に管理。GMP対応にも必須。
- 発電所:ボイラーやタービンの制御、安全監視に計装が不可欠。
→ どの工場も「人の手では間に合わない」精密な制御を、計装が担っています。
ビル・施設(快適さと省エネの裏側)
- オフィスビル・商業施設:空調・照明・給排水を自動制御して快適な環境を維持。
- 病院・研究施設:温度・湿度・気圧の管理で清浄度を保つ。
- データセンター:サーバーの温度管理や異常検知に計装が活躍。
→ 快適さや安全性、省エネの裏には、必ず計装があります。
交通・インフラ(安全と効率の支え)
- 鉄道:自動運転、ブレーキ制御、ドア開閉などにセンサーと制御装置が使われる。
- 上下水道施設:水位・流量・濁度などを監視・制御して安定供給を実現。
- 空港・港湾:照明・換気・セキュリティなどの自動制御に計装が関与。
→ 社会インフラの“見えない司令塔”として、計装は働いています。
身近な生活の中にも
- コンビニの冷蔵庫:温度センサーで一定温度を保つ。
- エアコンや給湯器:室温や水温を自動で調整。
- スマートホーム:人感センサーや照度センサーで照明や家電を制御。
→ 実は、あなたの家の中にも“ミニ計装”があるんです。
このように、計装は「工場だけのもの」ではなく、私たちの暮らしのあらゆる場所に息づいています。だからこそ、もっと多くの人に知ってもらいたい技術なんですよね。
まとめ
「計測」と「制御」を組み合わせ、機械や設備を“自動で正確に動かす”ための技術。それが計装です。
普段は目立たないけど、なくてはならない技術、見えないところで、私たちの暮らしと産業を支えています。
「計装って、実際にどんなところで使われてるの?」
そんな疑問を持ったあなたへ。
次は、ビルの中で活躍する“スマートな計装”の世界をのぞいてみませんか?
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