こんにちは!ぼくはコントローラ先生。
今日はビルの空調について、やさしく解説していくよ。
コントローラ先生の初心者向け講座:AHUってなぁに?
今日は「AHU」っていう、ちょっと聞き慣れないけど、
実はとっても大事な空調設備について、やさしく解説していくよ!
AHUって何の略?
まず「AHU」って何の略かというと…
Air Handling Unit(エア・ハンドリング・ユニット)
つまり「空気を扱う装置」ってことだね!
AHUは、外の空気を取り込んで、室内を快適に保つための装置です。まずフィルターで空気中のホコリや汚れを取り除き、きれいな空気にします。その後、コイルで冷やしたり温めたりして、温度を調整します。さらに、加湿や除湿を行うことで湿度もコントロールし、快適な空気を室内へ送り込むのです。
AHUは「空気調和機」って呼ばれていて、外気や室内の空気を取り込んで、冷やしたり温めたり、加湿・除湿したりして、キレイな空気を建物全体に送る装置なんだ。
AHUと似たような機械で、「OHU(外調機)」っていうのもあるんだよ。
これは Outdoor Handling Unit の略で、名前の通り「外気を処理して室内へ送る装置」なんだ。
OHU(Outdoor Handling Unit)とは?
OHUの役割はズバリ!
外の空気をキレイにして、建物の中に送り込む準備をすること!
たとえばこんなことをしてるよ
- 外の空気をフィルターでキレイにして
- 必要に応じて冷やしたり温めたりして
- AHUや室内に送る準備をする!
どこにあるの?何をしてるの?
AHUやOHUは、ショッピングモールやオフィスビル、病院、工場、クリーンルームなど、「空気の質」がとっても大事な場所に設置されているんだ。
役割はズバリ!
空気をキレイにして、ちょうどいい「温度」「湿度」「清浄度」「気流」にして、建物の中に送ること!
AHUの中身をのぞいてみよう!
AHUの中には、いろんなパーツが詰まってるよ。ちょっとだけ紹介するね。
| パーツ名 | 役割 |
|---|---|
| フィルター(FIL) | 空気中のホコリや花粉をキャッチ! |
| コイル(COIL) | 空気を冷やしたり温めたりする装置。冷水や温水を使うよ。 |
| 加湿器 | 空気が乾燥しすぎないように、しっとりさせるよ。 |
| 送風機(FAN) | キレイになった空気を各部屋に送り出す! |
| ケーシング | これらのパーツをまとめて入れてる箱。断熱材で包まれてるよ。 |

空調機は、上の図で説明すると、左側から外気を吸い込み、フィルター → 冷水コイル → 温水コイル → 加湿器 → ファンの順に空気が流れます。この過程で温度や湿度が調整され、快適な空気が室内へ送り込まれます。
空気は入れるだけじゃダメ?
実は、空気を室内に送り込むだけだと、室内の気圧が上がってしまうんだ。
だから、同時に空気を外へ排出する必要があるんだよ。
でも、排出する空気をそのまま外に捨てちゃうのは…
❌もったいない!エネルギーのムダ!
そこで空調機は、排出する空気を、「再利用する空気」と「廃棄する空気」に分けて、使える空気はもう一度室内に戻して、エネルギー効率をアップさせてるんだ!
人の数に合わせて、空気の使い方もチェンジ!
- 人が少ないときは、室内の空気を多めに再利用して、また部屋に戻すよ。
→ このときは、空気を新しく冷やしたり温めたりする必要が少ないから、
空調に使うエネルギーもグッと抑えられるんだ! - 逆に、人が多くて空気が汚れやすいときは、
新しい外の空気をたくさん取り込んで、
キレイな空気に入れ替えるよ!
かしこい空気の流れで、快適&省エネ!
こうやって、状況に合わせて空気の流れを調整することで、ムダなエネルギーを使わずに、効率よく快適な空間を保っているんだ!
空調機って、ただの冷暖房じゃなくて、「空気の使い方を考える、かしこいマネージャー」なんだね。
AHU・PAC・FCUのちがいって?
| 項目 | AHU(Air Handling Unit) | PAC(Package Air Conditioner) | FCU(Fan Coil Unit) |
|---|---|---|---|
| 日本語名 | 空気調和機 (エアハンドリングユニット) | パッケージ型空調機 (パッケージエアコン) | ファンコイルユニット |
| 主な用途 | ビル全体の空気を集中管理 | 中小規模の空間を個別に空調 | 中小規模の空間を個別に空調 |
| 空気の処理 | 外気+室内空気を取り込み、温度・湿度・清浄度を調整 | 室内空気を冷暖房 (外気は扱わない) | 室内空気を冷暖房 (外気は扱わない) |
| 設置場所 | 機械室や屋上、天井裏など | 室外機+室内機のセット(天井・床置き) | 壁・天井・床など部屋内 |
| ダクト | 必要(複数部屋へ送風) | 一部必要(設置方式による) | 一部必要(設置方式による) |
| 加湿・除湿 | 可能(機種による) | 一部可能 | 基本的に不可 |
| メンテナンス | フィルター・加湿器など多機能で点検が必要 | フィルター掃除など簡易的 | フィルター掃除など簡易的 |
まとめると…
- PAC(パッケージ型空調機)やFCU(ファンコイルユニット)は、比較的中小規模の部屋ごとに設置されて、個別に空調を行うタイプ。外気は取り込まず、室内の空気だけを冷やしたり温めたりするんだ。
- AHU(エアハンドリングユニット)は、大規模なビルや施設で使われていて、外の空気を取り込んだり、室内の空気を循環させたりして、温度や湿度を調整するよ。
- 空調機(AHU)もFCUと同様に、冷水や温水を利用して空気の温度や湿度を調整しています。そのため、ビル全体の空調には、AHUとFCUを組み合わせて使用することで、効率的にエネルギーを活用することができます。AHUは主に外気の処理や大規模な空調を担い、FCUは個別の部屋やゾーンでの細かな温度調整に適しているため、それぞれの役割を分担することで、快適性と省エネルギーの両立が可能になります。
PACとFCUのちがい、もう少し詳しく!
- PAC(パッケージ型空調機)は、室内機と室外機がセットになっていて、冷媒ガスを使って空気を冷やしたり温めたりするよ。
名前の通り「パッケージ」(室内機と室外機がセット)で完結するから、設置も比較的かんたん!
一般家庭では「エアコン」という呼び方のほうが馴染みがあるかもね。 - 一方、FCU(ファンコイルユニット)は、冷水や温水を使って空調するタイプ。
だから、別に大きな熱源設備(チラーやボイラーなど)から水をもらう必要があるんだ。
イメージで言うと…
- PACくんは「自分で冷やして、自分で送る」タイプ。ひとり(室外機と室内機)で空調を完結できるから、設置もシンプル!
- FCUくんは「冷たい水やあったかい水をもらって、空気を調整する」タイプ。だから、熱源設備という『親玉』のサポートが必要なんだよ。
空調設備は、定期的なお手入れがカギ!
規模や機能に違いはありますが、AHU・OHU、PAC・FCUのいずれも、空調機器としての性能を維持するためには、定期的なメンテナンスやフィルター清掃が不可欠です。フィルターの汚れは空気の流れを妨げ、効率低下や故障の原因にもなるため、機器の種類を問わず、日常的な点検が重要です。
AHUとOHUのちがいを整理してみよう!
ここでちょっと、AHUとOHUのちがいを整理してみようか!
空調の世界には、似てるけど役割がちょっと違う仲間がいるんだ。
それが AHU(Air Handling Unit) と OHU(Outdoor Handling Unit)!
どちらも「空気を扱う装置」だけど、担当してる空気の種類や設置場所が違うんだよ。
違いを表で見てみよう!
| 項目 | AHU(空調機) | OHU(外気処理機) |
|---|---|---|
| 処理する空気 | 外気+室内空気 | 外気のみ |
| 主な役割 | 空気の温度・湿度・清浄度を調整して室内に送る | 外気をフィルターで清浄・加熱・冷却してAHUや室内へ送る |
| 加湿・除湿機能 | あり(機種による) | あり(機種による) |
OHUは「外気だけ」を処理するけど、
AHUは「外気と室内の空気の両方」を扱うんだ。
まとめると…
空調設備にはいろんなタイプがあって、それぞれ役割や仕組みがちがうんだ。
- AHUやOHUは、ビル全体の空気を管理する『空気の司令塔』。外気も取り込んで、温度・湿度・清浄度を調整するよ。
- PACやFCUは、部屋ごとに空気を快適にする『空気のパーソナルケア担当』。冷媒や冷水・温水を使って空調するんだ。
- どの設備も、フィルター掃除や点検がとっても大事! 空気をきれいに保つための『お手入れ』は欠かせないよ。
空気って目に見えないけど、ちゃんと働いてくれてるんだね。
設備のしくみを知ることで、「快適な空間」はもっと身近に感じられるはず!