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ビル空調の自動制御入門#9:コントローラ先生がやさしく解説

コントローラ先生

こんにちは!ぼくはコントローラ先生。
今回は空調機を使た空調について、やさしく解説していくよ。

コントローラ先生

空調機って、どうやって暖房・冷房・除湿してるの?

コントローラー先生のやさしい空調授業

空調機は「室内の空気を中心に、外気も混ぜて調整する装置」

コントローラ先生

みんな、AHUってむずかしく聞こえるけどね…
実は 「部屋の空気を吸って → 調整して → また部屋に戻す」 だけなんだよ!
ただし、外気(OA)も必要量だけ混ぜて換気を行う のがポイント。

空調機の基本構造はこうだよ。

  • EA(Exhaust Air):室外へ排出される空気
  • RA(Return Air):室内から戻ってくる空気
  • OA(Outdoor Air):外から取り入れる空気
  • MA(Mixed Air):RA と OA を混ぜた空気
  • SA(Supply Air):調整された空気を室内へ送る
  • FL(Filter):室内・外気に含まれる粉じんを取り除き、コイルや室内環境を守る。
  • C/C(Cold Coil):冷たい水(または冷媒)で空気を冷却し、温度を下げる。
    ※露点以下まで冷やすと除湿が行われる。
  • H/C(Hot Coil):温水(または蒸気)で空気を加熱し、温度を調整する。
    ※再熱にも使用される。
  • 加湿(Humidifier):乾燥した空気に水(水蒸気など)を加え、湿度を適正に保つ。
  • ファン(Fan):空気を送り、ダクト内の流れを作る。

空気の流れ
RA + OA → MA → 冷却(除湿)/加熱/加湿 → SA → 室内 → RA(一部 EA)

コントローラ先生

EA は『外気を出すための出口』なんだ。
OA を入れるだけでは換気は成立しない。
必ず EA で外に出して、室内(建物)の空気バランスを保つ必要があるよ!

AHU の「冷房」はこう動くよ

● 1. 冷たいコイルで空気を冷やす

冷水コイルに空気を通すと…

  • 温度が下がる
  • 湿気が結露して水になる(ドレンへ)

● 2. 冷たくて乾いた空気を部屋へ戻す

室温が下がり、湿度も下がる

コントローラ先生

冷房は「温度も湿度も下げる」のがポイントだよ!

● 制御のポイント

湿度は結果として下がる(冷却除湿)

冷水弁の開度で冷却量を調整

SA 温度を一定に保つように PID 制御
※PID 制御とは、目標値に対して現在のズレを見ながら、装置の出力をなめらかに調整する制御方式。

AHU の「暖房」はこう動くよ

● 1. 温かいコイルで空気を暖める

温水コイルや蒸気コイルで空気を加熱。

● 2. 暖かい空気を部屋へ戻す

室温が上がる(湿度は下がりやすい)

コントローラ先生

暖房は『温度だけ上げる』のが基本だよ!

● 制御のポイント

湿度は相対的に下がる(絶対湿度は変わらない)

温水弁の開度で加熱量を調整

SA 温度を一定に保つように制御

AHU の「除湿」はこう動くよ

除湿は 過冷却+再熱 が基本。

AHU の除湿は「一度わざと空気を冷やしすぎて、湿気だけを落とす」動き。

  • 1.極端に温度を下げる(弱冷房)
    空気を冷水コイルで 露点以下まで冷やす
    → 空気中の水蒸気が結露してドレンへ落ちる
    → 湿度が下がる
  • 2.湿気だけを優先して取る
    除湿が目的なので、
    温度は下げすぎたくない → 再熱で温度を戻す
    → 「温度はほぼ変えず、湿度だけ下げる」状態を作る

冷やしすぎると寒くなるので、温水(再熱)コイルで少し温めてから部屋へ戻す。

温度は下げず、湿度だけ下げる

コントローラ先生

「一度冷やして湿気を取って、適温にして戻すのが除湿だよ!」

AHUの役割を超シンプルにまとめると…

機能AHUがやっていること
冷房空気を冷やして湿気も取る
暖房空気を温める
除湿冷やして湿気だけ取り再熱する

外調機(OHU)はどう違う?

コントローラ先生

「外調機は 外気100%を処理する装置 なんだ!」

AHU と OHU の違い

装置扱う空気主な目的
AHU室内空気+外気少量室内の温度・湿度を調整
OHU外気100%外気を室内に入れる前に調整(冷却・除湿・加熱)

空調は「温度」と「湿度」をコントロールする技術

コントローラ先生

「空調の本質は 『温度と湿度をちょうどよくすること』 なんだ。
AHU は室内空気を中心に調整して、
OHU は外気を整えて室内に届ける。
この2つがそろって、快適なビル空調ができるんだよ!」

コントローラ先生のワンポイントアドバイス(除湿のしくみを詳しく説明)

除湿のしくみは「冷却 → 結露 → 再熱」の3ステップ!

① 除湿するためには、一度空気を冷やす必要がある

コントローラ先生

「湿気を取るには、まず 空気を露点以下まで冷やす(過冷却) 必要があるんだ!」

なぜ冷やすと湿気が取れるの?

  • 空気を冷やす
  • 露点温度を下回る
  • 空気中の水蒸気が結露して水になる
  • ドレンで外へ排出される

これが『冷却除湿』の基本原理

② 冷やした空気をそのまま室内へ送ると寒くなる

 除湿のために空気を冷やすと、SA(供給空気)が 10〜15℃くらいの冷たい空気 になることもある。

コントローラ先生

「湿気は取れるけど、これをそのまま部屋に送ると…
室内が寒くなっちゃうんだ!」

③ だから「再熱」が必要

冷やして湿気を取ったあと、温水コイル(再熱コイル)で適温まで温め直す

再熱の目的

  • 室温を下げすぎない
  • 快適性を保つ
  • 湿度だけを下げる

『温度はそのまま、湿度だけ下げる』 が除湿のゴール

④ そのため、コイルの順番がとても重要

コントローラ先生

「除湿できる AHU には、コイルの並びにルールがあるんだ!」

間違った並び

H/C(温水コイル) → C/C(冷水コイル)
→ 再熱ができないので除湿運転が成立しない

正しい並び

C/C(冷水コイル) → H/C(温水コイル)
→ 冷却 → 結露 → 再熱 の流れが作れる

⑤ 加湿方式は大きく分けて3種類ある

コントローラ先生

「加湿には3つの方式があるよ!」

① 蒸気加湿(スチーム方式)

  • ボイラー蒸気 or 電極式加湿器
  • 最も正確で衛生的
  • 病院・研究施設・高級ビルで多い
  • ただしランニングコスト高め

② 噴霧加湿(スプレー方式)

  • 水を霧状にして空気に混ぜる
  • 加湿と同時に冷却効果もある
  • 水処理が必須(レジオネラ対策)
  • AHU 内で使われることが多い

③ 気化加湿(エバポレーション方式)

  • 湿ったフィルタに空気を通す
  • 省エネで安全
  • ただし加湿能力は低め
  • 住宅や小規模空調で多い

コントローラ先生のまとめ

コントローラ先生

除湿は「冷やす → 結露 → 再熱」の3ステップ。
だからコイルは C/C → H/C の順番じゃないとダメ!
加湿は『蒸気・噴霧・気化』の3方式があるよ。

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