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計装 計装の知恵

複数本のケーブルを防護管に収める場合の考え方

コメントをいただきました。

コメント内容

ケーブルについては、防護管の場合として、内線規程3165-1【施設方法】で 「防護管の内径は、ケーブル仕上がり外径の1.5倍以上必要。 防護管が短小で屈曲が無く、 ケーブルの引替えが容易であれば、1.5倍未満のものを使用してもよい。」となっています。 ケーブル1本であれば仕上がり外径の1.5倍で算出する。 複数本のケーブルを収める場合は、どの様に考えますか? 例えば、断面積総和の67%とか? 入線(引込み)できるかも含め、見解を教えてください。

 内線規程には、複数本のケーブルを同じ防護管に収める場合の占有率や、異種ケーブルをまとめる際の明確な規定がありません。
3165-1 に示されている「仕上がり外径の 1.5 倍以上」という基準も、あくまで ケーブル 1 条 を前提としたものです。

 そのため、複数条を収める場合は、私は 束ねたときの外接円の直径を 1 本の外径とみなす 方法を採用しています。
そして、その外接円径に対して 1.5 倍以上の管内径 を確保するようにしています。
この考え方は、古河電工のエフレックス選定基準(JIS C 3653準拠)にも示されています。

「ケーブルが2条以上の場合は、ケーブルを集合した場合の外接円の直径の1.5倍以上とする」

参考:古河電工のエフレックス選定基準

通信ケーブルの場合の考慮

 通信ケーブルは電力ケーブルと比べて曲げに弱く、入線時の抵抗も大きくなりがちです。
そのため、基準によっては 2 倍以上の余裕 を推奨しているものもあります。

 実務的にも、1.5 倍ギリギリでは引き込みが難しくなることが多いため、余裕を持たせた管径選定 が安全です。

占積率との違い

 絶縁電線のように「占積率(32%・40%)」で判断する方式とは異なり、ケーブルを防護管に収める場合には占積率の規定はありません。

 ただし、実務では入線性を考慮し、占積率が高くなりすぎないように配慮することが一般的です。
メーカーの選定表でも、参考値として 32〜40%程度 が目安として示されています。

私自身の判断基準

 自分の経験では、複数条のケーブルを防護管に収める際、次のように整理して判断しています。

  • 規程上の根拠
    束ねたときの外接円径 × 1.5倍
    (内線規程3165-1の「ケーブル1条」を複数条に拡張して扱う考え方)
  • 実務上の配慮(屋内配管)
    占積率40%程度に収まると入線が容易
    (曲がりや摩擦の影響を受けにくく、引替えも現実的)
  • 外構・埋設配管の場合
    占積率30%以下だとさらに安心
    (地盤の影響で配管が波打ったり、わずかに潰れて楕円になることが多く、その分だけ引き抵抗が増えるため、余裕を大きく取っておく方が安全)
  • 短くて直線の区間
    規程の注記どおり、多少タイトでも問題になりにくい
    (引替えが容易で、曲がりによる抵抗がほぼ無いため)

複数条のケーブルを防護管に収める際の検討材料として、参考になれば幸いです。

占有率の計算

ケーブル外径:20 mm
防護管の必要内径:20 mm × 1.5 = 30 mm

占有率は

占有率= ケーブル断面積 ÷ 管の断面積

円の断面積は (π r^2) なので

  • ケーブル断面積
    [ π × 10^2 = 314 ]
  • 防護管断面積
    [ π × 15^2 = 706.5 ]

占有率

[314 ÷ 706.5 ≒ 0.444 ] ⇒ [44.4% ]

外径20mmのケーブルを「1.5倍の防護管(内径30mm)」に入れた場合の占有率は約44%

複数本のケーブルを防護管に入れる場合の考え方

 内線規程3165-1は「1条(1本)」を前提に『ケーブル仕上がり外径の1.5倍以上』と書かれています。

では、複数本のケーブルを同じ防護管に入れる場合はどう考えるのか。

外径20mmのケーブルを2本入れる場合

 まず、20 mm ケーブルを 2 本並べたときの 外接円径 を求めます。

  • 2本 → 横に並ぶ
    外接円径 = 20mm × 2 = 40mm

必要な防護管内径
  40 × 1.5 = 60mm

占有率も計算してみると

  • ケーブル断面積(1本)
    (π × 10^2 = 314)
  • 2本 → [ 314 × 2 = 628 ]
  • 管(内径60mm)断面積
    (π × 30^2 = 2827)

占有率

[ 628 ÷ 2827 = 0.222 ] ⇒ [ 22% ]

→ 外径 20 mm のケーブルを 1.5 倍の防護管(内径 60 mm) に 2 本入れた場合、占有率は約 22% となり、かなり余裕があります。

3本の場合(20mm × 3本)

 外径 20 mm のケーブルを 3 本束ねる場合、3 本は正三角形状に並ぶため、まず 外接円径(3 本をすべて包む円の直径) を求めます。

3本は三角形状に並ぶので外接円径は

今回のケース(ケーブル外形20mm)

ケーブル3本が互いに接して並ぶので、

ケーブルの中心間距離(正三角形の一辺)は 20mm です。

正三角形の一辺の長さと高さの比率 [ 辺2:高√3 ]

三角形の高さ 20mm × √3 ÷ 2 ≒ 17.32mm

つまり
重心 → 底辺:高さの 1/3
頂点 → 重心:高さの 2/3

計算すると

・頂点 → 重心(外心)
[ 2 ÷ 3 × 17.32=11.55 mm ]

重心 → 底辺
[ 1 ÷ 3×17.32 = 5.77 mm ]

ケーブル外周まで含めた外接円の半径

ケーブル半径は 10mm なので

[ 11.55+10=21.55 mm ]

これは ケーブル3本を全部包む円の半径

結論から言うと

  • 3本束ねたときの外接円径(≒束全体の“見かけ外径”)をケーブル1本分の外径とみなして
  • それに 1.5倍(電力) または 2倍(通信などのゆとり重視) を掛けて防護管の内径を決める、という考え方です。

まず束の「見かけ外径」を使う

外径20mmのケーブル3本を正三角形状に並べたときの外接円径は、すでに出した通り

[ 21.55 × 2 = 43.1 mm ]

これは「3本まとめて見たときの 束全体の外径」と考えて。

防護管選定の基準(ケーブルの場合)

 日本の内線規程では、ケーブルを防護管に収める際、「ケーブル外径の 1.5 倍以上の管内径」 を確保することが基本とされています(ケーブルの場合の代表的な基準)。

 通信系ケーブルや、より余裕を持たせたい場合には、2 倍程度を目安にするケース も実務ではよくあります。

今回の数値で防護管内径を出す

 外径 20 mm のケーブルを 3 本束ねると、三角形状に並ぶため 束全体の外接円径は約 43 mm になります。

 この 43 mm を「束の外径」とみなし、そこに 1.5 倍(電力)または 2 倍(通信)を掛けて防護管内径を決めます。

● 電力ケーブルとして考える(1.5 倍)

D=43.1 × 1.5 ≒ 64.7mm

● 通信ケーブルなどで余裕を見たい場合(2 倍)

D=43.1 × 2 ≒ 86.2mm

整理すると

外径20mmのケーブル3本を三角形状に束ねると、束全体の外接円径は約43mmになります。
この43mmを「束の外径」とみなし、防護管内径は
電力なら ×1.5倍以上(→約65mm以上)、通信などで余裕を見たいなら ×2倍以上(→約86mm以上) を目安に選定します。

まとめ

ケーブル外径20mm外接円径必要防護管内径(1.5倍)断面積ベース
1本20mm30mm約44%
2本40mm60mm約22%
3本約43mm約65mm約28%

最後にまとめると

 複数本のケーブルを防護管に収める場合、内線規程に明確な占有率の規定がない ため、次の 2つを分けて考える のが現実的です。

規程上の根拠として使うもの

  • 束ねたときの外接円径 × 1.5倍以上
    (内線規程3165-1の「ケーブル1条」を複数条に拡張して扱う考え方)
  • この方法は 古河電工エフレックス(JIS C 3653準拠) の選定基準にも示されている
    https://www.furukawa.co.jp/eflex/

実務上の入線性として考えるもの

  • 屋内配管 → 占積率40%程度
    (曲がりや摩擦の影響が少なく、引替えも現実的)
  • 外構・埋設 → 占積率30%以下
    (地盤の影響で配管が波打つ・潰れる・楕円になるため、余裕がないと通らなくなる)
  • 短くて直線 → 規程の注記どおり多少タイトでも可
    (引替えが容易で、抵抗がほぼ増えないため)

結論

規程は「外接円径 × 1.5 倍」
実務は「占積率 40%(外構は 30%)」

この 2 つを目安にすると、規程の整合性と入線性の両方でバランスの取れた選定 ができます。

 最終的な選定は、内線規程の基準と現場の状況を合わせて判断するのが安全です。

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