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やさしい空調自動制御 計装の知恵

ビル空調の自動制御入門#6:コントローラ先生がやさしく解説

コントローラ先生

こんにちは!ぼくはコントローラ先生。
今日はビルの空調について、やさしく解説していくよ。

コントローラ先生の初心者向け講座:AHUってなぁに?

コントローラ先生

今日は「AHU」っていう、ちょっと聞き慣れないけど、
実はとっても大事な空調設備について、やさしく解説していくよ!

AHUって何の略?

まず「AHU」って何の略かというと…

Air Handling Unit(エア・ハンドリング・ユニット)
つまり「空気を扱う装置」ってことだね!

 AHUは、外の空気を取り込んで、室内を快適に保つための装置です。まずフィルターで空気中のホコリや汚れを取り除き、きれいな空気にします。その後、コイルで冷やしたり温めたりして、温度を調整します。さらに、加湿や除湿を行うことで湿度もコントロールし、快適な空気を室内へ送り込むのです。

 AHUは「空気調和機」って呼ばれていて、外気や室内の空気を取り込んで冷やしたり温めたり、加湿・除湿したりして、キレイな空気を建物全体に送る装置なんだ。

 AHUと似たような機械で、「OHU(外調機)」っていうのもあるんだよ。
これは Outdoor Handling Unit の略で、名前の通り「外気を処理して室内へ送る装置」なんだ。

ポイント

外気とは?

「外気(がいき)」とは、建物の外にある自然の空気のことです。
つまり、屋外の空気そのもの。風が吹いてるあの空気、です!

OHU(Outdoor Handling Unit)とは?

OHUの役割はズバリ!

外の空気をキレイにして、建物の中に送り込む準備をすること!

たとえばこんなことをしてるよ

  • 外の空気をフィルターでキレイにして
  • 必要に応じて冷やしたり温めたりして
  • AHUや室内に送る準備をする!

どこにあるの?何をしてるの?

 AHUやOHUは、ショッピングモールやオフィスビル、病院、工場、クリーンルームなど、「空気の質」がとっても大事な場所に設置されているんだ。

役割はズバリ!

空気をキレイにして、ちょうどいい「温度」「湿度」「清浄度」「気流」にして、建物の中に送ること!

AHUの中身をのぞいてみよう!

 AHUの中には、いろんなパーツが詰まってるよ。ちょっとだけ紹介するね。

パーツ名役割
フィルター(FIL)空気中のホコリや花粉をキャッチ!
コイル(COIL)空気を冷やしたり温めたりする装置。冷水や温水を使うよ。
加湿器空気が乾燥しすぎないように、しっとりさせるよ。
送風機(FAN)キレイになった空気を各部屋に送り出す!
ケーシングこれらのパーツをまとめて入れてる箱。断熱材で包まれてるよ。

 空調機は、上の図で説明すると、左側から外気を吸い込み、フィルター → 冷水コイル → 温水コイル → 加湿器 → ファンの順に空気が流れます。この過程で温度や湿度が調整され、快適な空気が室内へ送り込まれます。

 空気は入れるだけじゃダメ?

 実は、空気を室内に送り込むだけだと、室内の気圧が上がってしまうんだ。
 だから、同時に空気を外へ排出する必要があるんだよ。

 でも、排出する空気をそのまま外に捨てちゃうのは…

もったいない!エネルギーのムダ!

 そこで空調機は、排出する空気を、「再利用する空気」と「廃棄する空気」に分けて、使える空気はもう一度室内に戻して、エネルギー効率をアップさせてるんだ!

人の数に合わせて、空気の使い方もチェンジ!

  • 人が少ないときは、室内の空気を多めに再利用して、また部屋に戻すよ。
    → このときは、空気を新しく冷やしたり温めたりする必要が少ないから、
    空調に使うエネルギーもグッと抑えられるんだ!
  • 逆に、人が多くて空気が汚れやすいときは、
    新しい外の空気をたくさん取り込んで
    キレイな空気に入れ替えるよ!

かしこい空気の流れで、快適&省エネ!

 こうやって、状況に合わせて空気の流れを調整することで、ムダなエネルギーを使わずに、効率よく快適な空間を保っているんだ!

 空調機って、ただの冷暖房じゃなくて、「空気の使い方を考える、かしこいマネージャー」なんだね。

AHU・PAC・FCUのちがいって?

項目AHU(Air Handling Unit)PAC(Package Air Conditioner)FCU(Fan Coil Unit)
日本語名空気調和機
(エアハンドリングユニット)
パッケージ型空調機
(パッケージエアコン)
ファンコイルユニット
主な用途ビル全体の空気を集中管理中小規模の空間を個別に空調中小規模の空間を個別に空調
空気の処理外気+室内空気を取り込み、温度・湿度・清浄度を調整室内空気を冷暖房
(外気は扱わない)
室内空気を冷暖房
(外気は扱わない)
設置場所機械室や屋上、天井裏など室外機+室内機のセット(天井・床置き)壁・天井・床など部屋内
ダクト必要(複数部屋へ送風)一部必要(設置方式による)一部必要(設置方式による)
加湿・除湿可能(機種による)一部可能基本的に不可
メンテナンスフィルター・加湿器など多機能で点検が必要フィルター掃除など簡易的フィルター掃除など簡易的

まとめると…

  • PAC(パッケージ型空調機)やFCU(ファンコイルユニット)は、比較的中小規模の部屋ごとに設置されて、個別に空調を行うタイプ。外気は取り込まず、室内の空気だけを冷やしたり温めたりするんだ。
  • AHU(エアハンドリングユニット)は、大規模なビルや施設で使われていて、外の空気を取り込んだり、室内の空気を循環させたりして、温度や湿度を調整するよ。
  • 空調機(AHU)もFCUと同様に、冷水や温水を利用して空気の温度や湿度を調整しています。そのため、ビル全体の空調には、AHUとFCUを組み合わせて使用することで、効率的にエネルギーを活用することができます。AHUは主に外気の処理や大規模な空調を担い、FCUは個別の部屋やゾーンでの細かな温度調整に適しているため、それぞれの役割を分担することで、快適性と省エネルギーの両立が可能になります。

PACとFCUのちがい、もう少し詳しく!

  • PAC(パッケージ型空調機)は、室内機と室外機がセットになっていて、冷媒ガスを使って空気を冷やしたり温めたりするよ。
    名前の通り「パッケージ」(室内機と室外機がセット)で完結するから、設置も比較的かんたん!
    一般家庭では「エアコン」という呼び方のほうが馴染みがあるかもね。
  • 一方、FCU(ファンコイルユニット)は、冷水や温水を使って空調するタイプ。
    だから、別に大きな熱源設備(チラーやボイラーなど)から水をもらう必要があるんだ。

イメージで言うと…

  • PACくんは「自分で冷やして、自分で送る」タイプ。ひとり(室外機と室内機)で空調を完結できるから、設置もシンプル!
  • FCUくんは「冷たい水やあったかい水をもらって、空気を調整する」タイプ。だから、熱源設備という『親玉』のサポートが必要なんだよ。

空調設備は、定期的なお手入れがカギ!

 規模や機能に違いはありますが、AHU・OHU、PAC・FCUのいずれも、空調機器としての性能を維持するためには、定期的なメンテナンスやフィルター清掃が不可欠です。フィルターの汚れは空気の流れを妨げ、効率低下や故障の原因にもなるため、機器の種類を問わず、日常的な点検が重要です。

AHUとOHUのちがいを整理してみよう!

コントローラ先生

ここでちょっと、AHUとOHUのちがいを整理してみようか!

 空調の世界には、似てるけど役割がちょっと違う仲間がいるんだ。
それが AHU(Air Handling Unit)OHU(Outdoor Handling Unit)

どちらも「空気を扱う装置」だけど、担当してる空気の種類や設置場所が違うんだよ。

違いを表で見てみよう!

項目AHU(空調機)OHU(外気処理機)
処理する空気外気+室内空気外気のみ
主な役割空気の温度・湿度・清浄度を調整して室内に送る外気をフィルターで清浄・加熱・冷却してAHUや室内へ送る
加湿・除湿機能あり(機種による)あり(機種による)
コントローラ先生

OHUは「外気だけ」を処理するけど、
AHUは「外気と室内の空気の両方」を扱うんだ。

まとめると…
空調設備にはいろんなタイプがあって、それぞれ役割や仕組みがちがうんだ。

  • AHUやOHUは、ビル全体の空気を管理する『空気の司令塔』。外気も取り込んで、温度・湿度・清浄度を調整するよ。
  • PACやFCUは、部屋ごとに空気を快適にする『空気のパーソナルケア担当』。冷媒や冷水・温水を使って空調するんだ。
  • どの設備も、フィルター掃除や点検がとっても大事! 空気をきれいに保つための『お手入れ』は欠かせないよ。
コントローラ先生

空気って目に見えないけど、ちゃんと働いてくれてるんだね。
設備のしくみを知ることで、「快適な空間」はもっと身近に感じられるはず!

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