トイレ空間をもっとスッキリ見せたい、そんな思いから、DIYで「タンクレス風トイレ」に挑戦してみました。
見た目の美しさや掃除道具の収納スペースなど、たくさんのメリットを感じられた一方で、最大の悩みは「流すレバーが使いづらくなること」でした。
というのも、タンクを囲ってしまうと、洗浄レバーが奥に隠れてしまい、手が届きにくくなってしまうんです。
毎日の動作だからこそ、ちょっとした不便がストレスになるんですよね。
そこで本記事では、DIYでタンクレス風トイレを仕上げる際に直面した「流すレバーが使いづらい」という問題をどう解決したかを、実体験を交えて詳しくご紹介します。
・DIY初心者でも設置できる手軽さ
・見た目と使いやすさを両立する工夫
・実際に使ってみて感じたこと
これらのポイントを、わかりやすく丁寧にお伝えしていきます。
DIYでタンクレス風トイレにするメリットとは?

before

after
見た目のスッキリ感
タンクレストイレの最大の魅力は、なんといってもそのスタイリッシュな見た目。
タンクが視界から消えるだけで、空間がスッと整い、生活感がぐっと薄れます。
DIYでタンクを囲うだけでも、「あれ?トイレ広くなった?」と感じるほど印象が変わるんです。
特に来客時には、第一印象が大きく変わるポイント。
「普通のトイレなのに、なんかホテルっぽいね」と言われることもあり、ちょっとした満足感につながります。
掃除道具の収納スペース確保
タンク周りを囲うことで、掃除道具や洗剤を隠せる収納スペースを作ることができます。
これまでは床に置いていたブラシやスプレー類も、目に触れない場所に収納できるので、見た目も衛生面もスッキリ改善。
収納扉をつければ、使いやすさと美観を両立でき、「使うときだけ出す」スタイルが定着します。
トイレ空間にありがちな『雑然感』を、DIYでスマートに解消できるのは大きなメリットです。
空間の広がりとインテリア性
タンクを囲うことで、壁面と一体化したようなデザインになり、空間に奥行きと広がりが生まれます。
さらに、木材や壁紙を使って好みのテイストに仕上げれば、トイレが『インテリアの一部』に昇格。
ナチュラル系、モダン系、北欧風など、好みに合わせた演出が可能で、「トイレ=ただの水回り」から「トイレ=こだわり空間」へと変化します。
でも…流すレバーが使いづらくなる理由
タンクを囲うことでレバーが隠れる
DIYでタンクを囲って“タンクレス風”に仕上げると、見た目は確かにスッキリ。
ただその代償として、便器の洗浄レバーが物理的に隠れてしまうという問題が発生します。
特にINAX製の一般的な便器では、レバーがタンク側面にあるため、囲いの中に埋もれてしまいがち。
手を伸ばして操作するのが難しくなり、「見た目重視で囲ったはずが、使い勝手が犠牲に…」というジレンマに直面します。
操作性の低下と使いやすさの課題
レバーが隠れることで、洗浄操作に余計な動作や姿勢の負担が生じます。
しゃがんだり、手探りでレバーを探したりするのは、毎日のことだからこそストレスに。
特に高齢者や子どもにとっては、使いづらさ=使えないに直結することも。
DIYで見た目を整えたつもりが、使いやすさの面では大きなマイナスになってしまうケースもあります。
来客時の説明ストレス
さらに困るのが、来客時の『説明が必要なトイレ』になってしまうこと。
「レバーは囲いの中にあります」「ちょっとしゃがんでください」など、一言添えないと使えないトイレは、気まずさや不便さを生む原因に。
せっかくDIYで空間を整えても、『使い方がわかりづらい』という印象が残ってしまうのはもったいないですよね。
『見た目の満足』と『使いやすさの不満』がぶつかる瞬間です。
INAX「流せるもん」とは?後付けできるリモコン洗浄ハンドル
製品概要と特徴
「流せるもん」は、LIXIL(INAX)が提供する後付け型のリモコン洗浄ハンドルです。
既存の便器に取り付けることで、ボタンひとつで洗浄操作が可能になります。
主な特徴:
- ✅ 後付け可能:既存のINAX製便器に対応(リフォーム不要)
- ✅ リモコン操作:振り向かずにラクな姿勢で洗浄できる
- ✅ スマートな見た目:DIYで囲ったタンクにも違和感なく馴染む
- ✅ 自動洗浄対応(一部機種):シャワートイレと連携すれば流し忘れも防止
「流せるもん」は、『使いやすさ』と『見た目のスマートさ』を両立できるアイテムとして、DIYユーザーにも人気があります。
対応便器・型番の選び方
「流せるもん」は複数の型番があり、便器の種類やタンクの形状によって適合が異なります。
代表的な型番には以下のようなものがあります
型番 | 特徴 | 対応便器例 |
---|---|---|
CWA-67B | 手動洗浄+リモコン操作 | アメージュZシリーズなど |
CWA-69 | フルオート洗浄対応 | シャワートイレ連動型 |
CWA-12B | シンプルな手動洗浄タイプ | 一般的なINAXタンク式便器 |
※設置前には、便器の型番(タンク側面や取扱説明書に記載)を確認し、対応表をチェックするのが安心です。
LIXIL公式サイトや施工説明書には、型番ごとの対応便器一覧が掲載されています。
「流せるもん」はINAX(LIXIL)製の製品です。
正式には「INAX リモコン便器洗浄ハンドル 流せるもん」という名称で、LIXILの住宅設備ブランドであるINAXが提供しています。
この製品は、INAXのタンク式便器に後付けできるよう設計されており、型番(例:CWA-67B、CWA-69など)によって対応する便器が異なります。
LIXIL公式のカタログや施工説明書にも、「流せるもん」=INAX製品として明記されています。
「流せるもん」の使用目的
- 振り向かずにラクな姿勢で便器洗浄ができる
→ 高齢者や身体の不自由な方、またはタンク周りを囲ってレバーが操作しづらくなった場合に便利。 - 今使っている便器に後付け可能
→ 既存のタンク式便器のレバーを交換するだけで、リモコン洗浄が可能になる。 - シャワートイレと連動すればフルオート洗浄も可能
→ 着座センサーと連動して、立ち上がると自動で流す機能も(一部機種対応)。 - 流し忘れ防止にも効果的
→ リモコン操作や自動洗浄により、使用後の流し忘れを防止。
DIY設置の難易度と注意点
「流せるもん」は、DIY初心者でも比較的設置しやすい構造になっています。
基本的な工具(ドライバー・レンチ)と、取扱説明書があれば、30分〜1時間程度で取り付け可能です。
設置時の注意点
- ⚠️ 便器の型番確認:対応していないと取り付け不可
- ⚠️ 電源の有無:自動洗浄タイプは電源が必要な場合あり
- ⚠️ 設置位置の確保:囲いの中に配線や操作部が収まるか確認
※シャワートイレとの連動設定を行う場合は、細かい設定が必要になることもあります。
実際に設置してみた!ビフォーアフターで見る使い心地の向上
Before:レバー操作の不便さ(設計段階での懸念)
DIYでタンクを囲って『タンクレス風』に仕上げようと考えたとき、まず気になったのがレバーの位置。
囲いの奥に隠れてしまうことで、振り向いて流す動作が面倒になるのでは?という懸念がありました。
- 「あれ?レバーどこだっけ…」と探す時間が発生しそう
- 振り向く動作が腰に負担になる可能性
- 見た目はスッキリしても、使い勝手が犠牲になるかも…
この『ちょっとした不便』が、毎日の積み重ねで意外と大きなストレスになる。
だからこそ、見た目と使いやすさの両立を目指して、洗浄操作の改善策を検討する必要がありました。
After:ボタンひとつで快適洗浄
そこで導入したのが、INAXの「流せるもん」。
レバーを撤去し、リモコン洗浄ユニットに交換するだけで、ボタンひとつで洗浄が可能に。
- 振り向かずにラクな姿勢で操作
- シャワートイレと連動すれば自動洗浄も可能
- 流し忘れ防止にも効果的
『使いやすさ』が加わることで、空間の満足度が一気にアップ。
DIYの成果が、見た目だけでなく使い心地にも反映された瞬間です。
見た目と機能性の両立

左側には、蝶番付きの扉を取り付け
予備のトイレットペーパー・掃除道

右側には、キャスター付き引き出し式にして

長めのブラシなどの掃除道具を収納
手洗い場づくりも、身近な工夫で。
手洗い用の水は、近所のホームセンターでチューブを購入し、必要な長さまで延長。蛇口からの距離がある場所でも、これでしっかり水を引けます。
そして、蛇口代わりに使ったのは、なんと100均で見つけた竹ぼうきの柄部分。
太さも長さもちょうどよく、必要なサイズに切断して使用。
柄の内部にチューブを通して、先端を少し加工すれば、見た目は素朴でも、機能はしっかり。立派な手洗いノズルに早変わりです。
トイレの手洗い用水受けは、植木鉢で代用。
手洗い後の水を受けるために、ホームセンターで見つけた深めの植木鉢を使用しています。
底の水抜き穴から塩ビ管を接続し、下のタンクへスムーズに排水できる構造に。
シャワートイレも、リモコンタイプに変更。
「流せるもん」と「シャワートイレのリモコン」を並べて設置することで、見た目にもスッキリ。
操作系がひとまとめになり、使い勝手もぐっと快適に。
空間の印象も整い、ちょっとした設備の見直しが、日常の心地よさにつながります。
予備のトイレットペーパーを取り出すたびに、扉を閉める「バタン!」という音にびっくり。
毎回のことながら、地味にストレス…。そこで、ゆっくり閉まるタイプの蝶番に交換してみたところ、音の悩みがすっきり解消!
静かに閉まるだけで、こんなに気持ちがラクになるなんて。小さな工夫が、日常の快適さをぐっと引き上げてくれます。
床と、トイレタンクまわりの板に「大理石調シート」を貼って、空間全体がぐっと引き締まりました。
シートを貼るだけで、まるで高級感のあるホテルライクな雰囲気に。DIYでもここまで仕上がるんだ…と、ちょっと誇らしくなる瞬間です。『いい感じ』って、見た目だけじゃなくて、気分まで上げてくれるんですね。
「流せるもん」は、タンクレス風の見た目を損なわずに、機能性を後付けできるのが最大の魅力。
DIYでこだわったデザインをそのままに、使う人の目線に立った快適さをプラスできます。
- スタイリッシュな空間に、操作性という『実用美』を融合
- 初心者でも取り付け可能な手軽さ
- 使い心地を犠牲にしない、現場知恵の工夫
まさに「見た目と使いやすさの両立」を叶えるアイテム。
DIYは、ただ『作る』だけじゃなくて、暮らしを整える手段でもある。
そしてその改善は、大がかりなリフォームじゃなくても、十分に叶えられるんです。