金属電線管の施工は、正しい工具選びが安全性と作業効率を大きく左右します。
この記事では、現場で信頼される基本工具から、作業をスムーズに進めるための便利アイテムまで、初心者にもわかりやすく紹介します。
「何を揃えればいいの?」という不安を解消し、安心して次の一歩を踏み出せるよう、工具の特徴や選び方のポイントも丁寧に解説します。
配管を曲げるための工具
電線管は直線だけでなく、壁や天井の形状に合わせて自在に曲げる必要があります。
そのため、正確に曲げ加工ができる工具は、施工の基本中の基本。
ここでは、現場でよく使われる「ベンダー」や「ヒッキー」など、配管曲げに特化した工具を紹介します。
ベンダーとヒッキーの違い
項目 | ベンダー(一発ベンダー) | ヒッキー(ゲンコツタイプ) |
---|---|---|
曲げ方 | 一発で90°など決まった角度に曲げる | 少しずつ自由な角度に曲げられる |
特徴 | 足で踏んで一気に曲げるタイプが多い | 手で支点をずらしながら曲げる |
精度 | 角度が安定しやすい | 曲げ戻しも可能で微調整しやすい |
対応サイズ | 呼びE19、E25、G16、G22 | 同じく呼びE19〜39(G16~28)程度まで |
使用例 | 露出配管で直角に曲げたい場面など | 壁沿いや複雑なルートで柔軟に配管したい場面 |
配管のサイズが大きくなると、手作業での曲げ加工は難しくなります。
そのため、E51、G36以上などの厚鋼電線管には、油圧式ベンダーを使って安全かつ正確に曲げるのが一般的です。
ベンダー本体は配管サイズに応じて使い分けますが、油圧ベンダーでは「シュ」と呼ばれる部品も、配管サイズに合わせて使用します。
ヒッキーや油圧ベンダーの使い方は、一発ベンダーとは異なり、曲げたい箇所を少しずつ場所を変えながら、複数回に分けて曲げていきます。
中継ボックス(P.BOX)の加工に使用する工具
P.BOXの加工には、ドリルを使用して穴をあける作業が行われます。
ドリルの先端には「ホールソー」と呼ばれる刃を取り付けて、P.BOXの加工を行います。
たとえば、E19であれば穴径は21φ、E25であれば27φ、E31であれば33φといったサイズのホールソーを使用して加工します。
大口径の穴を加工する場合は、ホールソーではなく「ノックアウトパンチ」と呼ばれる工具を使用することが一般的です。
金属電線管の切断に使用する主な工具
バンドソー(大)
熱源機械室などの大規模な金属電線管施工では、金属加工の量が多くなるため、切断効率と安定性に優れた大型バンドソーの使用が適しています。
バンドソー
空調機械室などの中規模施工では、サイズ感と取り回しの良さが適しており、効率的な配管加工が可能です。
バンドソー(小)
スイッチ周りなどの小規模な露出配管には、コンパクトで取り回しやすい小型バンドソーが便利で使いやすい選択肢です。
ネグロス電工 ダクター専用穴明け工具 MAKD
電線管の支持には、ネグロス電工のダクターチャンネル「D1」「D2」などがよく使用されます。これらの加工には、切断や穴あけが可能な専用工具が必須です。
「ダクターパンチの開口穴サイズを1サイズ上げる」というのは、現場での『通しやすさ』と『調整の余裕』に直結する、非常に実践的なテクニックです。
全ねじカッター
D1と同様に、電線管の支持材としてよく使用されるのが「全ねじボルト」です。これを加工・施工するには、専用の工具が必要です。
アンカー打設に必要な基本工具
コンクリートドリル(振動ドリル)
孔内清掃用ブラシ
ダストポンプ(切粉清掃用)
パナソニック 油圧マルチ
EZ46A4X-B
デュアル電圧対応(14.4V/18V)で、圧着・ケーブル切断・圧縮・打ち抜きなど複数の作業に対応可能な本体です。
別売のアタッチメントを装着することで、用途に応じた加工ができます。
本体にアタッチメントを交換することで、用途に応じた多機能な作業が可能になります。
ノックアウトパンチ
レースウェイカッター&パンチャー
電線管を固定するのに重宝する工具
ネグロス電工のラチェットメガネレンチ MAK1823 は、ダクタークリップの締付けやねじなしカップのねじ切り作業に非常に重宝する工具です。
ネグロス電工のラチェットメガネレンチ MAK1823 に取り付け可能な専用替えソケットです。
サイズ:対辺距離 17mm(W3/8・M10ナット対応)。D1・D2チャンネルの施工・固定に適した専用ソケット(MAK1823に取り付け可能)。
現場の信頼は、工具で決まる。
切断作業に限らず、確実な施工には“使える”道具が不可欠です。
今すぐ、次の一手に備えましょう。