ブログを運営していると、ふとこんな疑問が浮かびませんか?
「読者はどこから来て、どこで離れてしまうんだろう?」
「検索で見つけてくれた人は、ちゃんと記事を読んでくれているのかな?」
こうした『見えない流れ』は、まるで空気のように存在しているのに、手に取ることができません。
でも、Google Analytics 4(GA4)とGoogle Search Console(サーチコンソール)を組み合わせれば、読者の行動と検索意図を読み解き、彼らの「旅路」をそっと照らすことができます。
この記事では、GA4とサーチコンソールを活用して、読者がどこから来て、どこへ向かい、どこで離脱してしまうのか——その流れを可視化する方法をご紹介します。
ステップ①:サーチコンソールで「検索意図」を探る
まずは、読者がどんな言葉でブログにたどり着いたのかを確認しましょう。
これらのデータは、読者の「入り口」を示す地図のようなものです。
検索意図とは?
検索意図とは、読者がGoogleで検索したときに「何を知りたかったのか」という『心の目的』のことです。
たとえば、読者が「GA4 記事の見方」と検索したなら、それは…
「GA4を開いたけど、どこを見ればいいのか分からない」
「人気記事を知って、ブログ改善につなげたい」
という『背景の悩み』があるかもしれません。
検索キーワードは、読者の小さな声や迷いを映す鏡なのです。
サーチコンソールで見るべき項目
初心者でも迷わず使えるように、まずはこの3つをチェックしましょう。
項目 | 意味 | 使い方 |
---|---|---|
検索クエリ | 読者が実際に検索した言葉 | 「GA4 見方」「ブログ 分析」などを確認 |
CTR(クリック率) | 検索結果でクリックされた割合 | タイトルや説明文が魅力的かどうかの指標 |
掲載順位 | Google検索で何位に表示されたか | 上位表示されているキーワードを把握する |
初心者向けの見方:実データで解説

クエリ | 表示回数 | CTR | 掲載順位 |
---|---|---|---|
ケーブルラック 計算 ソフト | 20 | 30% | 5.7 |
ケーブルラック 2段積み 間隔 | 42 | 2.4% | 9.3 |
ケーブル 切り方 | 1 | 100% | 29.0 |
計装とは | 45 | 0% | 45.9 |
実際のデータを見ながら、「どんなキーワードで来ているのか」「どのページがよくクリックされているのか」を確認することで、読者の『入り口』が見えてきます。
このステップは、読者の旅路をたどる最初の一歩です。
読み解きポイント
検索クエリのデータは、ただの数字ではありません。
それは、読者が検索窓に打ち込んだ『小さな悩み』や『期待』の集まりです。
ここでは、特に注目すべき3つの視点から、検索意図と記事の改善ポイントを読み解いていきましょう。
① 表示回数 × CTR(クリック率)
- 「ケーブルラック 計算 ソフト」
→ 表示回数20、CTR30%、掲載順位5.7
→ 検索結果の上位に表示され、クリック率も高い。読者のニーズに合っている記事と判断できる。 - 「ケーブルラック 2段積み 間隔」
→ 表示回数42、CTR2.4%、掲載順位9.3
→ 表示は多いがクリックされていない。タイトルや説明文の改善余地あり。
ポイント:CTRが高いクエリは、読者の関心にマッチしている証拠。逆にCTRが低い場合は、タイトルやメタディスクリプションの見直しを。
② 掲載順位が高いのにCTRが低い
- 「計装とは」
→ 表示回数45、CTR0%、掲載順位45.9
→ 検索結果の下位に表示されているため、記事の内容やSEO対策が必要。
ポイント:掲載順位が低いと、そもそも読者の目に触れにくい。記事の構造やキーワード選定を再検討するチャンス。
③ ニッチなクエリでもCTRが高い
- 「ケーブル 切り方」
→ 表示回数1、CTR100%、掲載順位29.0
→ 表示は少ないが、ピンポイントで刺さった記事。こうしたクエリはロングテールSEOの宝。
ポイント:ニッチな検索でも刺さる記事は、読者の『深い悩み』に応えている証。こうしたクエリは、記事の価値を高めるヒントになる。
まずはこの3点を見よう
- CTRが高いクエリ → 読者のニーズに合っている記事
- 表示回数が多いのにCTRが低いクエリ → タイトルや説明文を改善
- 掲載順位が低いクエリ → 記事の内容やSEO対策を見直す
検索クエリは『読者の声』
このデータは、読者が検索窓に打ち込んだ『心のつぶやき』です。
それを拾い上げて、記事の構成やCTAに反映することで、読者との距離がぐっと縮まります。
まるで、風の流れを読むように、読者の旅路をそっと導いていきましょう。
ステップ②:GA4で「行動データ」を読み解く
次は、ブログ内での読者の動きを追いかけてみましょう。
Google Analytics 4(GA4)は、ブログやサイトに訪れた人の行動を記録するツールです。
まるで読者の足跡をたどるように、「どこから来て」「どこを見て」「どこで離れたか」がわかります。
初心者が見るべき基本データ
GA4にはたくさんのデータがありますが、まずはこの3つを見れば十分です。
データ項目 | 意味 | 使い方 |
---|---|---|
ランディングページ | 最初に読者が訪れたページ | どの記事が入口になっているかを把握 |
エンゲージメント時間 | ページに滞在した時間 | どれだけ読まれているかの目安になる |
離脱率(または次のページ) | 読者が離れた割合、または次に進んだページ | 記事の構成や導線の改善に役立つ |
GA4でランディングページを確認する方法
- Googleアナリティクス(GA4)にアクセス
- 左側のメニューから「レポート」をクリック
- 見込み顧客の発掘から
- ランディンページをクリック
これで、読者が最初に訪れたページ(=入口)が一覧で表示されます。
実際のランディングページ分析
ランディングページ | セッション数 | 平均滞在時間 | 新規ユーザー | 離脱の兆候 |
---|---|---|---|---|
/selection-of-conduit | 230(-15.4%) | 1分13秒(+0.3%) | 212(-16.9%) | 減少傾向・安定した滞在時間 |
/cable-tray-selection-method | 192(+13.6%) | 1分00秒(-9.8%) | 169(+23.4%) | 流入増・滞在時間やや短め |
/conduit-size-calculation | 100(-4.8%) | 26秒(-49.4%) | 88(-11.1%) | 滞在時間急落・改善必要 |
(not set) | 93(+8.1%) | 1秒(-91.7%) | 0 | 不明な流入・ほぼ即離脱 |
読者の足跡をたどることで、記事の『入口』と『出口』が見えてきます。
それはまるで、風の流れを読むように、読者の旅路をそっと導く地図。
初心者向けの読み解き方
GA4で得られたデータをもとに、各記事の状態と改善ポイントを見ていきましょう。
初心者でも「何を見て」「どう考えるか」がわかるよう、4つの代表例を紹介します。
✅ 1. /selection-of-conduit
:安定した人気記事
- セッション数は減少傾向だが、滞在時間は安定
- 新規ユーザーも多く、入口記事として機能
- 改善案:読者が次に進めるよう、関連記事へのCTA(次ページ誘導)を強化。
「読んだあと、どうすればいいか?」を明示することで離脱率を下げられます。
✅ 2. /cable-tray-selection-method
:流入増加中の注目記事
- セッション・新規ユーザーともに増加
- 滞在時間はやや短くなっている → 読者の期待と内容にズレがある可能性
- 改善案:冒頭文や見出しを調整して期待に応える構成へ。
「この記事で何がわかるか?」を最初に明示すると効果的です。
✅ 3. /conduit-size-calculation
:滞在時間が課題
- 滞在時間が半分以下に急落 → 読者がすぐ離れている
- 改善案:図解や事例を追加して理解しやすくする
SEOを意識しつつ、読者の「なるほど!」を引き出す構成へ。
✅ 4. (not set)
:謎の流入
- 滞在時間1秒 → ほぼ即離脱
- 改善案:GA4のタグ設定やURL構造を確認。
「(not set)」が多い場合は、計測の精度そのものを見直す必要があります。
初心者向けまとめ:まずはこの3つを見よう
GA4には多くの指標がありますが、初心者はまずこの3つを押さえましょう。
読者の「入口」と「離脱ポイント」が見えてきます。
指標 | 見る意味 | 読み解きのヒント |
---|---|---|
セッション数の変化 | 記事の人気が増えているか、減っているか | トレンドを把握し、注目記事を見極める |
平均滞在時間 | 読者がどれだけ記事を読んでいるか | 内容が読まれているか、理解されているかの目安 |
新規ユーザー数 | 初めて訪れた読者の数 | 入口記事として機能しているかを判断する |
この3つを見るだけで、
- どの記事が入口になっているか
- どこで読者が離れているか
が、自然と見えてきます。
まるで、読者の旅路を地図でたどるように。
数字の奥にある「読者の気持ち」を感じ取る第一歩です。
入口になっている記事(ランディングページ)
GA4の「ランディングページ」データを使えば、
読者が最初に訪れた記事=入口記事を特定できます。
これは、ブログの『玄関』がどこにあるかを知ること。
読者がどんな期待を持って訪れているかを読み解く鍵になります。
✅ 主な入口記事
ランディングページ | セッション数 | 新規ユーザー | 平均滞在時間 |
---|---|---|---|
/selection-of-conduit | 230 | 212 | 1分13秒 |
/cable-tray-selection-method | 192 | 169 | 1分00秒 |
/conduit-size-calculation | 100 | 88 | 26秒 |
読み解きポイント
/selection-of-conduit
最も多くの読者が訪れている安定した入口記事。
滞在時間も安定しており、初心者の導入に適している。
👉 改善案:関連記事へのCTAを強化し、次の一歩へ導く。/cable-tray-selection-method
新規ユーザーが多く、検索流入が増加中。
滞在時間がやや短いため、期待と内容にズレがある可能性。
👉 改善案:冒頭文や見出しを調整し、検索意図に応える構成へ。/conduit-size-calculation
滞在時間が極端に短く、即離脱の傾向。
内容が難解、または導入が不親切な可能性あり。
👉 改善案:図解や事例を追加し、SEOとUXの両面から強化。
読者が最初に触れる記事は、ブログ全体の印象を左右します。
だからこそ、入口記事は「わかりやすく」「次に進みたくなる」構成が重要。
読者が離れている場所(離脱の兆候)
GA4では、平均滞在時間が短いページや次ページへの遷移率が低いページを「離脱ポイント」として見なします。
これは、読者が「期待と違った」「次に進む理由がなかった」と感じた場所。
その兆候を見つけることで、改善のヒントが得られます。
✅ 離脱傾向があるページ
ページ | 平均滞在時間 | 離脱の兆候 |
---|---|---|
/conduit-size-calculation | 26秒 | 滞在時間が極端に短い(-49.4%) |
(not set) | 1秒 | 記録ミス or 即離脱 |
読み解きポイント
/conduit-size-calculation
読者が期待した情報にすぐたどり着けなかった可能性があります。
導入文がわかりづらい、構成が複雑、専門用語が多すぎるなどが原因かも。
👉 改善案:
- 冒頭に「この記事でわかること」を明示
- 図解・事例・ステップ形式で視覚的に理解しやすく
- 検索キーワードと内容の一致度を高める(SEO強化)
(not set)
URLが記録されていないため、タグ設定やURL構造の不備が考えられます。
正しく計測できていないと、改善もできません。
👉 改善案:
- GA4のタグ設定を再確認(Google Tag Manager使用時は特に注意)
- リダイレクトやURLパラメータの影響もチェック
- (not set)
が多発する場合は、計測環境そのものの見直しが必要
「/conduit-size-calculationは入口か出口か?GA4で読み解く読者の動線」
/conduit-size-calculation
は入口にも出口にもなっている可能性が高いページです。GA4のデータからその『二重の役割』を読み解くことができます。
なぜ「入口」でも「出口」でもあるのか?
✅ 入口としての特徴(ランディングページ)
- セッション数:100件
- 新規ユーザー:88人
- 多くの読者が検索などから直接このページに訪れている
検索クエリ例:「管サイズ 計算」「配管 径 決め方」など
→ 入口記事として機能している
🚪 出口としての兆候(離脱傾向)
- 平均滞在時間:26秒(-49.4%)
- ページビューに対する次ページ遷移が少ない
- 読者がすぐに離れている(離脱)可能性が高い
離脱の理由として考えられること
- 情報がすぐに見つからない
- 計算式が難しい
- 事例や図解がない
- 次に何をすればいいか分からない
読者の行動を想像すると…
- 「管サイズを計算したい」と思って検索
/conduit-size-calculation
に到着- でも…
- 計算式が難しい
- 事例がない
- 次のステップが見えない
- → そのまま離脱してしまう
このように、入口としての期待に応えられなかった場合、出口にもなってしまうのです。
読者の『期待』をつなぐページに:入口の期待に応えることで出口を防ぐ
/conduit-size-calculation
は、読者が「知りたい」と思って訪れる入口であり、
その期待に応えられなければ「離れてしまう出口」にもなってしまいます。
そこで、以下の改善策が有効です
- 冒頭文で「この記事でできること」を明示
- 図解や具体的な事例を追加
- 「次に読むべき記事」へのCTAを設置
- 検索クエリとの一致度を高める(SEO強化)
だからこそ、このページは、読者の旅路の『分岐点』として、次の一歩をそっと示す「道しるべ」が必要なのです。
ステップ③:両者を重ねて「読者の旅路」を描く方法
目的:読者が「なぜ来て」「どう動いたか」をつなげて理解する
読者は、ある『問い』を持って検索し、ブログにたどり着きます。
その後、ページを読み、時には離れ、時には次へ進む。
この一連の流れを「旅路」として捉えることで、改善のヒントが見えてきます。
使うツールと役割
ツール | 見えること |
---|---|
Googleサーチコンソール | 読者が「どんな言葉」で検索して来たか(=検索意図) |
Googleアナリティクス(GA4) | 読者が「どのページに入り」「どれだけ読んで」「どこで離れたか」(=行動) |
この2つを組み合わせることで、読者の期待(検索意図)と体験(行動)のギャップが見えてきます。
初心者向けステップ
読者の「検索意図」と「行動」をつなげて、旅路を描く3ステップ
✅ ステップ①:サーチコンソールで検索クエリを確認
- 「パフォーマンス」レポートを開く
- 「検索クエリ(検索語句)」をチェック
- 例:「ケーブルラック計算ソフト」「ケーブルラック 選定 計算」
👉 読者がどんな悩みや目的で検索したかがわかります。それは、旅の『出発点』を知ること。
✅ ステップ②:GA4でランディングページと滞在時間を確認
- 「レポート」→「見込み顧客の発掘」→「ランディングページ」へ
- 各ページのセッション数・滞在時間・離脱率を確認
👉 読者がどのページに入り、どれだけ読んだかがわかります。それは、旅の『立ち寄り地点』を知ること。
✅ ステップ③:検索クエリとランディングページをつなげる
検索クエリ | ランディングページ | 滞在時間 | 離脱率 | 読者の気持ち |
---|---|---|---|---|
管サイズ 計算 | /conduit-size-calculation | 26秒 | 高い | 「計算方法がすぐ知りたい」→期待に届かず離脱 |
ケーブルラック 選定方法 | /cable-tray-selection-method | 1分00秒 | やや高い | 「選び方を知りたい」→読んだけど次が見えない |
ケーブルラック 計算 ソフト | /selection-of-conduit | 1分13秒 | 安定 | 「具体的な選定ツールが欲しい」→満足度高め |
👉 こうして、検索意図と行動を重ねることで、読者の『旅路』が見えてくるのです。
初心者向けの改善ヒント
状況 | 改善案 |
---|---|
滞在時間が短い | 冒頭文で「この記事で何がわかるか」を明示する |
離脱率が高い | CTAバナーや関連記事リンクで「次の一歩」を示す |
検索意図と内容がズレている | タイトルや構成を見直して、読者の期待に寄り添う |
まとめ:読者の旅路は『検索』から始まり、『体験』で終わる
GA4とサーチコンソールを重ねて見ると、読者が「どんな気持ちで訪れ」「どんな体験をしたのか」が、少しずつ見えてきます。
初心者でも、検索クエリとランディングページをつなげて眺めるだけで、改善のヒントが自然と浮かび上がってくるはずです。
GA4とサーチコンソールは、まるで「風」と「足跡」のような存在。
それぞれ単体でも役立ちますが、組み合わせることで、読者の『見えない旅路』をそっと照らす灯りになります。
あなたのブログが、読者にとって「次の一歩」を踏み出すきっかけとなりますように。