「どのデータが重要なのか、ひと目でわかるようにしたい…」そんなあなたにぴったりなのが、Excelの「条件付き書式」です。
セルの値に応じて自動で色を変えたり、特定の条件を満たすデータだけを強調表示したり、視認性がグッと上がって、作業効率もアップ!
この記事では、Excel初心者でもすぐに使える基本操作から、実務で役立つ応用テクニックまで、やさしく丁寧に解説します。
「色で見える」Excel、今日から始めてみませんか?
条件付き書式とは?
条件付き書式(じょうけんつきしょしき)とは、Excelのセルに入力された値に応じて、自動的に色や書式を変える機能です。
たとえば
- 売上が目標を超えたら → 緑
- 未達なら → 赤
このように、条件に合わせてセルの見た目を変えることで、重要な情報をひと目で把握できるようになります。
ホームタブの「条件付き書式」アイコンとは?
Excelの「ホーム」タブ中央付近にある、「条件付き書式」というアイコンは、セルの値に応じて自動で色やアイコンを付ける機能を設定するための入り口です。
アイコンの場所と見つけ方
- Excelを開いたら、画面上部の「ホーム」タブをクリック
- Excelの「ホーム」タブにある「条件付き書式」アイコンにマウスを重ねると、『条件付き書式』というツールチップが表示されます。これにより「このアイコンが何の機能か」がすぐにわかります。

メニュー項目の主な種類
メニュー名 | 内容 |
---|---|
セルの強調表示ルール | 指定した値より大きい/小さい、特定の文字列、日付などに色を付ける |
上位/下位ルール | 上位10件、下位10%、平均より上/下などを強調 |
データバー | 値の大小を棒グラフ風に表示 |
カラースケール | 値の範囲に応じてグラデーション表示 |
アイコンセット | 値に応じて矢印や信号などのアイコンを表示 |
どんなときに使うの?
- 数値の大小を色で見分けたいとき
- 特定の文字列を含むセルを強調したいとき
- 空白や重複データをすぐに見つけたいとき
- タスクの進捗状況を色分けしたいとき
条件付き書式のメリット
- 視認性アップ:重要なデータがすぐに目に入る
- ミスの防止:条件に合わない値を見逃しにくくなる
- 作業効率の向上:手動で色を変える手間がなくなる
条件付き書式の基本の使い方
条件付き書式とは、セルの値に応じて自動的に色やアイコンを変える機能です。
視覚的にデータの傾向や異常値を把握しやすくなり、作業効率がアップします。
対象セルを選択する
条件付き書式を適用したい範囲(例:点数など)をドラッグして選択します。

「ホーム」タブから条件付き書式を開く
- Excel上部の「ホーム」タブをクリック。
- 「条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「指定の値より大きい」を選びます。

条件と書式を設定する
たとえば「80点を超えるセルを赤くしたい」場合
- 条件:「セルの値が 80 より大きい」
- 書式:「濃い赤の文字」や「明るい赤の背景」などを選択可能
設定が完了したら「OK」または「完了」をクリックします。
フォント色、背景色、太字など、自由にカスタマイズできます。

結果を確認する
- 条件に合致するセルに自動で書式が反映されます。
- 条件を変更したい場合は「条件付き書式」→「ルールの管理」から編集できます。

よく使う条件付き書式のパターン
Excelの条件付き書式は、データの傾向や異常値を一目で把握できる便利な機能です。ここでは、特によく使われるパターンを目的別に紹介します。
数値の大小で色分けする
- 目的:基準値より高い・低いデータを強調
- 例:「売上が100万円未満なら赤、100万円以上なら緑」
- 設定方法:「セルの強調表示ルール」→「指定の値より大きい/小さい」
上位・下位のデータを目立たせる
- 目的:成績や売上などで上位・下位を強調
- 例:「上位10件を太字+黄色背景」
- 設定方法:「上位/下位ルール」→「上位10%」「下位10件」など
特定の文字列を含むセルを強調
- 目的:ステータスやキーワードで分類
- 例:「“未完了”を含むセルは赤文字」
- 設定方法:「セルの強調表示ルール」→「文字列」文字を指定
重複チェック
- 目的:重複してはいけないデータの管理
- 例:「顧客ID」や「注文番号」など
- 設定方法:「セルの強調表示ルール」→「重複する値」
数式を使った応用テクニック
Excelの条件付き書式には「数式ルール」という機能があります。
これを使うと、複数の列をまたいだ判定や、特定のロジックに基づいた強調表示が可能になり、より柔軟なデータ管理ができます。
数式ルールの基本構造
- 数式は「対象範囲の先頭セル」を基準に書きます。
- 絶対参照($A$1)と相対参照(A1)を使い分けることで、柔軟な判定が可能になります。
よく使われる応用例
目的 | 数式例 | 説明・ポイント |
---|---|---|
A列が「完了」の場合に色付け | =$A1="完了" | A列の値が「完了」の行全体に書式を適用 |
B列が空白の場合に警告 | =ISBLANK($B1) | 未入力セルを強調表示して入力漏れを防止 |
C列が「売上>目標」の場合 | =$C1>$D1 | C列とD列を比較して、達成した行を強調 |
E列が今日の日付の場合 | =$E1=TODAY() | 今日の予定やタスクを目立たせる |
設定ステップ(共通)
- 対象範囲を選択(例:A2~A100など)
- 「ホーム」→「条件付き書式」→「新しいルール」をクリック
- 「数式がtrueのセルを書式設定する」を選択
- 数式を入力し、書式(色・太字など)を設定
- 「OK」で完了!
条件付き書式の編集・削除方法
条件付き書式は一度設定すると自動で反映されますが、状況に応じて「条件を変更したい」「書式を消したい」という場面もあります。
ここでは、編集・削除の基本手順をステップ形式でわかりやすく解説します。
編集する方法(ルールの見直し・変更)
- 対象セルを選択
条件付き書式が設定されている範囲を選びます。 - 「ホーム」タブ → 条件付き書式 → ルールの管理
- 「条件付き書式」メニューから「ルールの管理」をクリック。
- 選択範囲に適用されているルールが一覧表示されます。
- 編集したいルールを選択 →「ルールの編集」
- 数式や条件、書式(色など)を変更できます。
- 変更後は「OK」で保存。
- 適用先の範囲を変更したい場合
- 「適用先」欄でセル範囲を直接編集可能。
削除する方法(書式を解除)
ルール単位で削除
- 「条件付き書式」→「ルールの管理」→該当ルールを選択→「ルールの削除」
セルからすべての条件付き書式を削除
- 対象セル範囲を選択
- 「ホーム」→「条件付き書式」→「ルールのクリア」
- 「選択したセルからルールをクリア」
- または「シート全体からルールをクリア」
補足:編集・削除時の注意点
- 複数ルールが重なっている場合:優先順位に注意(上から順に適用されます)
- 削除しても元の値は消えない:あくまで「見た目の強調」が解除されるだけです
- 編集後は必ず確認:意図通りに反映されているか、セルをスクロールしてチェックしましょう
よくあるトラブルと対処法
条件付き書式は便利な反面、うまく動作しないときに「原因がわからない…」と戸惑うことも。ここでは、よくあるトラブルとその対処法を具体的に紹介します。
条件付き書式が反映されない
原因例
- 数式の参照セルが間違っている(絶対参照 vs 相対参照)
- 選択範囲と数式の構造が合っていない
- 条件が成立していない(例:
="完了"
ではなく=$A1="完了"
)
対処法
- 数式の先頭セルと選択範囲の関係を見直す
- 数式ルールを「ルールの管理」から編集して確認
- 条件が成立するか、テスト用に値を変更してみる
複数ルールが重なって意図しない表示になる
原因例
- 同じセルに複数の条件付き書式が設定されている
- 優先順位が意図と異なる
対処法
- 「ルールの管理」でルール一覧を確認
- 不要なルールを削除、または順番を入れ替える
- 「停止する」チェックボックスで制御する
条件付き書式が消えない・解除できない
原因例
- 書式を手動で上書きしている(例:手動で色を塗った)
- シート全体にルールが残っている
対処法
- 「条件付き書式」→「ルールのクリア」→「選択範囲」または「シート全体」
- 手動の書式も「書式のクリア」でリセットする
空白セルの判定がうまくいかない
原因例
- 空白に見えてもスペースや数式が入っている
ISBLANK()
ではなく=""
で判定している
対処法
=TRIM(A1)=""
などでスペース除去を含めた判定にするLEN(A1)=0
で文字数ゼロを判定する方法も有効
まとめ
条件付き書式は、Excelの中でも特に「見た目でわかる」便利な機能です。数値の大小、重複、空白、特定の文字列など、さまざまな条件に応じてセルを自動で強調表示できるため、データの確認や整理がぐっとラクになります。
今回ご紹介した内容を振り返ると
- 基本の使い方:対象セルの選択からルール設定まで解説しました
- よく使うパターン:実務で頻出の条件を目的別に紹介しました
- 重複チェックや数式ルール:応用テクニックでさらに柔軟な設定が可能になります
- 編集・削除方法:ルールの見直しや解除も安心して行えます
- よくあるトラブルと対処法:つまずきやすいポイントを事前に回避できます
Excelに不慣れな方でも、条件付き書式を使いこなせば、データの見える化が一気に進みます。
まずは基本のルールから試してみて、少しずつ応用テクニックにも挑戦してみましょう。
「色で見えるExcel」、今日からあなたの味方にしてみませんか?