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Excel

ケーブルラック選定をもっと簡単に！Excelで自動計算する方法

　「ケーブルラックの選定って難しそう…」そんなあなたへ！

　ケーブルラックの種類やサイズを選ぶには、配線量や敷設方法などを考慮する必要があり、初心者にとっては意外とハードルが高いもの。でもご安心を！Excelを使えば、誰でも簡単に最適なケーブルラックを選定できるんです。

　本記事では、ケーブルの本数やサイズを入力するだけで、ラック幅や許容積載量を自動で計算してくれる便利な仕組みをご紹介。選定ミスを防ぎ、作業効率もグッとアップするので、設計初心者や現場での作業をサポートしたい方にぴったりです！

　「どのラックサイズを選べばいいの？」と迷っていた方も、この方法ならすぐに実践可能。さあ、Excelを使ったケーブルラック選定の手順をチェックしてみましょう！

今回も、オンライン版のExcelを使用して作成します。

ケーブルラックの選定方法いついて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

ポイント

今回使用した関数：「VLOOKUP」「SUM」「AGGREGATE」「CEILING」「MATCH」「INDEX」「IFEROR」「AND」「COUNTA」「COUNT」「IF」

テクニック：「データの入力規則」（リスト表示）、シート間でデータを連携、オートフィル

Excelシートの構成

  • 「選定」シート：最終的な選定結果を表示
  • 「計算」シート：計算するメインシート
  • 「電線」シート：電線・ケーブルの種類、断面積などのデータを管理

計算の流れ

  1. 「選定」シートで電線の種類を選択（「電線」シートのリストを参照）。
  2. 電線の本数を入力（ユーザーが入力）。
  3. 電線の合計を計算。
  4. ケーブルラックのサイズを「計算」シートから自動選定。
  5. 結果を表示。

　この仕組みを作れば、計算ミスを防ぎつつ、正確な電線管選定が可能 になります！😀

「電線」シートを作成します。

「A列には 電線・ケーブルの種類の名称 を入力し、B列には 外径（mm単位） を入力します。」

「選定」シートを作成します。

「A3セル～A21セル：1～19の連番を入力

B2セル：項目名『名称』を入力

B3セル：入力規則（ドロップダウンリスト）を設定
データの入力規則について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

C2セル：項目名『本数』を入力」

「計算」シートを作成します。

　通信ケーブルにおける必要幅Wは、以下の計算式を用いて算出する方針です。

W ≧ 0.6 × {Σ (D+10) + 120} mm

A2セル

=選定!A2

手順

  1. 半角の「=」を入力します。
  2. 「選定」シートを選択します。
  3. A2セルをクリックします。
  4. Enterキーを押して確定します。

A2～C21までコピーします。

時短テクニック：

  1. オートフィル機能を使って、C2までの内容をコピーします。
  2. C21セルを「Shift」キーを押しながらクリックして選択します。
  3. 「Ctrl」＋「D」キーを押して、上のセルの内容を素早くコピー（ショートカット操作）します。

　=選定!A2はExcel のセル参照の一種で、 「選定」 という名前のシートの A2 セルの値を現在のセルに表示するための数式です。

解説：

例えば、「選定」シートのA2セルに 「電線の種類」 と入力されている場合、この数式を入力したセルには 「電線の種類」 が表示されます。

選定!A2 → 「選定」シートの A2セル の値を取得

= → 数式を開始するための記号

ケーブルラックの幅を計算していきます。

D3セル

=VLOOKUP(B3,電線!A:B,2,FALSE)

E3セル

=C3*D3

D3:E3セルを選択しフィルハンドルをダブルクリックして下までコピーします。

選定シートを選択し任意のケーブルを選択し、本数を入力してみます。

計算シートを選択します。

正しく反映されていることを確認します。

C22セル

=SUM(C3:C21)

E22セル

今回は、AGGREGATE関数を使って合計したいと思います。

=AGGREGATE(9,6,E3:E21)

エラー値を無視して合計
=AGGREGATE(9, オプション, 範囲)

  • 9 → SUM（合計）
  • オプション → 計算時に無視する値（例：6はエラー値を無視）
  • 範囲 → 合計したいセル範囲

セルにエラーが含まれているとSUM関数で正しく合計できないことがあります。

AGGREGATE関数は、SUMだけでなく、AVERAGE・MAX・MIN・COUNTなども使えるので、とても便利です！

G3セル

=0.6*((C22*10)+E22+120)

G5セル

=CEILING(G3,100)

=CEILING(数値, 基準値)
・基準値の倍数になるように切り上げ

　同じような動作をする関数に ROUNDUP もありますが、CEILING関数は指定した倍数で切り上げるのが特徴です！

　I列にSRラックのサイズを、J列にQRラックのサイズをそれぞれ入力していきます。

I13セル

=MATCH(TRUE,I3:I8>=$G$5,0)

I14セル

=INDEX(I3:I8,I13)

J13セル

=MATCH(TRUE,J3:J12>=$G$5,0)

J14セル

=INDEX(J3:J12,J13)

MATCH関数とINDEX関数の使い方については、こちらをご参照ください。

　SRラックにはサイズ700が、QRラックにはサイズ1100が存在しません。そのため、存在しないサイズが選定されないよう、SRおよびQRラックの使用可能なサイズのみを入力し、適切なサイズが選定されるようにします。

　IF関数でも選定を制御できますが、視覚的な分かりやすさの点では、MATCH関数とINDEX関数を使った方がより簡潔で見やすくなります。

「選定」シートを完成させます。

　E2:F2セルを結合し、「ケーブルラックサイズ」を入力してください。
セルの結合についてはこちらをご覧ください。

　選定シートを選択後、E3セルにSR、E4セルにQRをそれぞれ入力してください。

F3セル

=IFERROR(計算!I14,"-")

F4セル

=IFERROR(計算!J14,"-")

　ラックの選定が完了したら、B3:C3以降のセルを選択し、キーボードのDeleteキーを押すことで、入力された内容を削除できます。

　何も選択されていない場合にラックサイズが「200」と表示されてします。以下の数式を使用することで、空白にすることができます。

F3セル

=IF(AND(COUNTA(B3:B21)>0, COUNT(C3:C21)>0), IFERROR(計算!I14, "-"), "")

F4セル

=IF(AND(COUNTA(B3:B21)>0, COUNT(C3:C21)>0), IFERROR(計算!J14, "-"), "")

1. COUNTA(B3:B21)>0
→ B3〜B21の範囲に**1つでも値（文字列・数値など）**が入力されていれば TRUE

2. COUNT(C3:C21)>0
→ C3〜C21の範囲に数値が1つでも入力されていれば TRUE

3. AND(...)
→ 上記①と②が両方とも成り立つときに TRUE

4. IFERROR(計算!J14, "-")
→ 計算シートのJ14セルの値を表示。ただし、エラーだった場合は「"-"」と表示

5. IF(..., ..., "")
→ ANDの条件が成り立つときだけ 計算!J14の値（または"-"）を表示し、それ以外は空白（""）にする

📝 つまりこういうこと：
B列とC列にデータがあるときだけ、計算結果（計算!J14）を表示し、
それ以外のときは表示しない（空欄にする）処理になります。

この選定シートを活用することで、SRラック・QRラックのサイズを誤って選定するリスクを減らし、現場での設計・施工の精度向上につなげることができます。
必要な条件を入力するだけで、適切なサイズが自動で表示されるため、作業の効率化とミスの防止に役立ちます。

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