毎日、蛇口をひねれば水が出る。
スイッチを押せば、エレベーターが動く。
コンビニに行けば、いつでも同じ味のおにぎりが並んでる。
でも、どうして?
誰が、どうやって、こんな「当たり前」を守ってるの?
実はその裏には、目に見えない“しくみ”と、ちょっとカッコいい“仲間たち”がいるんです。
温度を感じる「さーもくん」、流れを見張る「プレッシャーさん」、動きをコントロールする「ばるぶちゃん」…。
今回は、そんな仲間たちの夏場の一日にこっそり密着してみました。
まるで工場の中で生きているみたいな世界、ちょっとのぞいてみませんか?
【ストーリーで学ぼう】センサーとバルブが活躍する『ビルディングオートメーションDAY』
登場キャラクター紹介
さーもくん(温度センサー)
性格:まじめで几帳面。ちょっと神経質だけど、責任感はピカイチ。
口ぐせ:「1℃の変化も見逃さないよ!」
役割:空気や水の「温度」をリアルタイムで測って、「暑い・寒い」を察知。空調の調整に貢献する。
たとえ:ビルの“体温計”。人間よりずっと敏感で、1℃の変化も見逃さない。
身近な例:エアコンの「自動運転」、冷蔵庫、給湯器 など。
ひとことで言うと:温度センサーは「熱さ・寒さを感じる装置」。

プレッシャーさん(圧力センサー)
性格:おっとりしてるけど、いざという時に頼れる存在。
口ぐせ:「落ち着いて、圧力は安定してるよ〜」
役割:配管内の「圧力」を見守り、水や空気の流れが安定しているかを監視。トラブルを未然に防ぐ。
たとえ:配管の“血圧計”。異常があればすぐに知らせてくれる番人。
身近な例:タイヤの空気圧モニター、ポンプの圧力制御、血圧計 など。
ひとことで言うと:圧力センサーは「流れの強さを見張る装置」。


もくもくさん(CO₂センサー)
性格:のんびり屋だけど空気の変化には超敏感。ちょっと心配性。
口ぐせ:「モクモクしてきたかも…新鮮な空気、お願い!」
役割:空気中の「二酸化炭素(CO₂)濃度」を測定して、空気がこもってきたら換気を促す。
たとえ:空気の“空気読み”担当。場の変化には敏感に反応。
身近な例:換気制御、飲食店のCO₂モニター、スマート空調 など。
ひとことで言うと:CO₂センサーは「空気のこもり具合を察知する装置」。


ばるぶちゃん(制御バルブ)
性格:元気で行動派!ちょっとせっかちだけど、動きはキビキビ。
口ぐせ:「開ける?閉める?まかせて!」
役割:コントローラーやセンサーの指示を受けて、水や空気の“流れ”を調整する。
たとえ:自動で動く“水道の蛇口”。流量を細かくコントロールできる。
身近な例:風量の制御、給湯システム、工場の配管制御 など。
ひとことで言うと:バルブは「流れを調整する装置」。


コントローラー先生(制御装置)
性格:冷静沈着なリーダー。みんなの情報をまとめて判断する頭脳派。
口ぐせ:「全体のバランスを見て判断しよう」
役割:センサーの情報をもとに、最適な動きを判断。バルブなどに指示を出す司令塔。
たとえ:チームの“指揮者”や“作戦司令官”。裏で全体を動かす存在。
身近な例:エアコンの自動制御、冷蔵庫の温度調整、ビル空調の中枢装置。
ひとことで言うと:コントローラーは「頭脳」。


ろがーさん(データ記録係)
性格:記憶力バツグンの無口な記録魔。いつも黙々と働いている。
口ぐせ:「記録完了。未来のために残しておくよ」
役割:温度や圧力などの情報を時系列で記録。トラブル時や改善のための“証拠”を残す。
たとえ:黒板係、日記係、タイムカプセルのような存在。
身近な例:温度ロガー、運転履歴記録装置、省エネデータの保存 など。
ひとことで言うと:ロガーは「記録係」。


モニターくん(映像係)
性格:几帳面で冷静沈着。異常があるとすぐに気づく観察眼の持ち主。
口ぐせ:「それ、ちょっと数値ズレてるかも?」
役割:いろんな機械の元気チェック係!まるで機械のお医者さんみたい!
たとえ:いつも空から街を見守ってる、モニターさんも現場のトラブルを見つけるヒーロー
身近な例:何気なく動いてるけど、常に快適な環境を保ってくれている陰の立役者。
ひとことで言うと:「沈黙の安心サポーター」


ビルディングオートメーションDAY ~あるビルの仲間たちの1日~
AM 6:00 今日もみんな、準備OK!
高層ビルがまだ静かに眠っている早朝。
でも地下の機械室では、小さな“チーム”が目を覚まします。


「室温、確認っと」
温度センサーの「さーもくん」が働きはじめます。


「エアコン、少しだけ動かしておこうか」
「コントローラ先生」がポンプに合図を出します。
「プレッシャーさん、配管の圧どう?」


「問題なし。今日もバッチリ安定してるよ~」
AM 8:00 人間たちが出勤してきた!
ビルに人がどっと入ってきました。エレベーターも大忙し!


「上昇開始、混雑モニター作動中!」
エレベーターの“頭脳”が動きを調整して、スムーズな運行に。
お手洗いの換気、オフィスの照明、入口の自動ドア――
すべての動きを、見えないところでチームのみんなが支えています。


「うわっ、なんだか空気がぬるくなってきたぞ」
「さーもくん」がピッと反応。温度はじわじわ上昇中。


「二酸化炭素のレベルも上がってるね」とCO₂センサーのもくもくさん


コントローラー先生がすぐに判断。
「バルブちゃん、外の新鮮な空気を多めに取り込んで!」


「はーいっ!フレッシュエア、どうぞ~っ!」
そして…
「プレッシャーさん、風量大丈夫?」


「うん、配管も問題なし。いい流れだよ〜」
人が多くても、みんなの働きで空気はスッキリ。
今日も快適なビルが保たれています。
PM 12:00 外はカンカン照り!でも中はひんやり快適
お昼になって、外はまぶしいくらいの晴天。
ビルのガラス越しに、太陽の光がじりじりと差し込んできます。


「うわっ、外気温が30℃を超えたよ!」
サーモくんがすぐに反応。


「日射センサーもMAXだね」
日射センサーもMAX…ってことは、空調フル稼働で人も増えそうだね。CO₂が気になるな〜


「これは…冷房を強めるタイミングだな」
コントローラー先生が全体のデータを見て判断。
「バルブちゃん、冷たい水をもっと回して!」


「了解っ!冷気、全開モードでいきまーす!」


プレッシャーさんも配管の圧力をチェックしながら、
「うん、流れはスムーズ。問題なし!」
PM 12:30 お昼休み、人が増えても大丈夫!
社員食堂には人がいっぱい。
でも空気はムンとしない。


「CO₂レベル上昇中!」
「もくもくさん」がすかさず対応。


「換気ファン、強モードに切り替えました」
制御くんが報告すると、
「ナイス連携だね」とコントローラー先生がにっこり。
PM 1:00 外は真夏日、でもビルの中はいつも通り
外ではアスファルトが熱を持ち、蝉の声が響いています。
でもビルの中は、まるで別世界。
快適な温度、きれいな空気、静かな空間。


「今日もいい仕事したね」
「さーもくん」がちょっと誇らしげに言うと、


「うん、これが“見えないヒーロー”の仕事さ」
とロガーさんが記録を残しながらつぶやきました。
PM 2:00 トラブル発見⁉


突然、あるフロアで室温が急上昇!
「ちょっと待って、これはおかしいぞ」とサーモくん。
すぐに「コントローラー」先生に知らせました。


「コントローラー」先生が、「バルブちゃんに冷房全開って指示したよ!」


「了解!ガシャッと開けるね!」


「早く気づいてよかった…」
モニターくんたちは、人間よりも先にトラブルを見つけて解決!
おかげで、いつも通りの快適な毎日が守られました。
人間たちもホッとひと安心
🌙 PM 10:00 夜のビルも、守ってる
ビルが静かになっても、僕たちの仕事は終わりません。
防犯システムが動き出し、空調はゆっくり夜モードへ。


「ロガーさん、今日の記録お願いね」
「ふふん、もう全部メモ済みだよ。安心して!」
「明日もがんばろうね」
仲間たちは今日も、ビルをそっと見守り続けるのでした。
スピンオフ小話
サーモくんの「1℃のプライド」



今日はちょっと特別な日。
なんと、ビルの管理室に新しい温度センサーがやってきた!
「こんにちは、最新型のサーモXです。±0.1℃の精度で測れます」
ピカピカのボディに、ちょっと自信満々な声。
古株のサーモくんは、ちょっとだけムッとした。
でも、夜になって事件が起きた。
サーモXが読み取れなかった“微妙な温度のムラ”を、サーモくんが見つけたのだ。
「経験って、数字じゃ測れないんだよ」
そうつぶやいて、さーもくんはまた静かに働き始めた。
もくもくさんの「静かなる吐息」


今日もオフィスの一角で、もくもくくんはじっと空気を見つめている。
人々がPCに向かい、会話を交わすその空間。目には見えないけれど、CO₂は少しずつ増えていく…。
「なんだか…息苦しい予感。」
じわりと上昇する濃度を感知し、彼は警告を発信。
しかし、誰もすぐには反応しない。
「まだ目に見えないからって、甘く見ないでほしいんだ。」
それでも諦めず、何度でも通知を送り続けるもくもくくん。
やがて換気が始まり、空気が入れ替わる。人々の表情もどこかスッキリ。
今日も誰も気づかないところで、もくもくさんはみんなの健やかな呼吸を守っている。
はるぶちゃんの「開ける?閉める?恋のスイッチ」


ばるぶちゃんは、最近ちょっと気になっている。
それは…隣の配管にいる、プレッシャーさん。
「今日も安定してるね〜」と声をかけると、
「うん、君がちゃんと流してくれるからさ」と返ってくる。
えっ、それって…どういう意味⁉
でも、バルブちゃんは今日も元気に動く。
「開けるよ!…ちょっとだけね♡」
プレッシャーさんの「静かなる守り人」


誰も気づかないけど、プレッシャーさんはいつも見ている。
配管の中の圧力が、ほんの少しでも変われば、すぐに察知。
ある日、夜中にポンプが誤作動。
「これは…危ないかも」
すぐにコントローラー先生に信号を送った。
「ナイス判断だ、プレッシャーさん」
静かにうなずいて、また配管の中に意識を戻す。
コントローラー先生の「迷わないための地図」


朝からセンサーたちが大騒ぎ。
「温度が上がってる!」「風量が足りない!」
でも、コントローラー先生は慌てない。
全体のデータを見て、原因を探る。
「これは…外気の取り入れ量が変わったせいだな」
すぐにばるぶちゃんに指示を出し、状況は安定。
「みんな、ありがとう。今日もいいチームワークだったね」
ロガーさんの「記録の向こうにある未来」


ロガーさんは、今日も静かに記録を続けている。
温度、湿度、圧力、流量…すべてを正確に。
でも、ただの“記録”じゃない。
「このデータが、未来の改善につながるんだ」
そう信じて、今日もログを残す。
夜、誰もいない制御室で、ぽつんとつぶやいた。
「明日も、いい一日になりますように」
モニターくんの「静かな守護者」


今日はいつも通り、ビルの空調、照明、エレベーターの稼働状況をじっと見つめるモニターくん。
「異常なし…異常なし…ん?」
何気ない電力の波形に、微細な異変を感じ取ったモニターくん。
他の制御装置がスルーしたそれは、老朽化した配電盤の兆候だった。
「この仕事は、目立たなくても、誰かが見てないといけないんだ。」
誰にも気づかれず、そっとメンテナンス担当に通知を送るモニターくん。
今日も誰かの「快適」を、静かに守っている。
見えないヒーロー”たちの働きで、私たちの日常は今日もなめらかに動いています。そんな計装の世界、ちょっとのぞいてみたくなりませんか?
この世界を知れば、いつもの景色がちょっとだけドラマチックに見えてくるはず。
今日も黙々と働く裏方の仲間たちに、そっと感謝を。
おすすめ記事!!