こんにちは!ぼくはコントローラ先生。
今回はビルの空調の『FCU』について、やさしく解説していくよ。
初心者向け:FCU(ファンコイルユニット)とは?
はじめに:エアコンじゃないの?FCUって何者?
「FCUって何?」と思った方、ご安心ください。
ホテルの廊下や病院の個室などで、静かに快適な空気を届けてくれている『空調の裏方』が、FCU(ファンコイルユニット)なんです。
「エアコンと何が違うの?」と疑問に思った方も多いはず。
実はFCUは、冷媒ガスではなく『水』を使って空気を冷やしたり温めたりする空調機器なんです。
エアコンは室内機と室外機がセットになっていて、冷媒ガスで空気を直接調整します。
それに対してFCUは、建物の中央設備から送られてくる冷温水を使って、各部屋の空気を間接的に整える仕組みです。
たとえば、ホテルの客室や病院の個室では「静かで快適」「部屋ごとに温度調整できる」「空気が乾燥しにくい」といったメリットが求められますよね。そんな『快適さの裏方』として、FCUは活躍しているんです。
FCUの仕組みってどうなっているのか?
FCUの仕組み
FCU(ファンコイルユニット)は、名前の通り
『ファン=送風機』と『コイル=熱交換器』がセットになった空調機器です。
エアコンとの違いは『熱源』にあり
FCUとエアコンの大きな違いは、空気を冷やしたり温めたりする熱源の仕組みにあります。
- エアコン:冷媒ガスを使って、空気を直接冷却・加熱
- FCU:冷温水を使って、空気を間接的に調整
つまり、エアコンが『冷媒ガス』で空気をダイレクトにコントロールする個人プレーなら、FCUは『冷温水』を使って建物全体を快適にするチームプレーなんです。
FCUのしくみを図解で理解しよう
- 「ファン(送風機)+コイル(熱交換器)=FCU」
- 水を循環させて冷暖房を行う仕組み
- メインユニットから冷水/温水を送り、各部屋のFCUで空気を調整。

空気の流れ:図の左側から空気を吸い込み、右側へと流れていきます。
室内の空気(還気)はまずフィルターでホコリなどを除去され、ファンによってコイルへと送り込まれます。そこで冷水、温水と熱交換されて温度が調整され、再び室内(給気)へと快適な空気として送り出されます。
FCUの基本パーツは3つあります
FCUの3つの基本パーツの役割
FCU(ファンコイルユニット)は、空気をきれいにして、動かして、温度を変えるという3つのステップで快適な空間をつくります。
それぞれの役割を、身近な例えで見てみましょう。
フィルター(空気の『玄関マット』)
室内の空気(還気)を取り込むとき、ホコリやゴミを取り除く役割を担います。
まるで玄関に敷かれたマットのように、空気をきれいにしてから内部へ通す『入口の番人』です。
- 室内の空気(還気)を取り込むとき、ホコリやゴミを取り除く役割。
- まるで『玄関マット』のように、空気をきれいにしてから内部へ通します。
- 定期的な清掃が必要で、衛生管理にも重要なポイント。
ファン(空気を動かす『心臓』)
フィルターを通った空気を、コイルへと送り込む送風機です。
空気を吸い込み、熱交換後の空気を室内へ押し出すことで、空間全体に快適さを届けます。
- フィルターを通った空気を、コイルへと送り込む送風機。
- 空気を吸い込み、熱交換後の空気を室内へ押し出す役割。
- 回転数や風量を調整することで、快適さをコントロールできます。
コイル(温度を変える『熱交換器』)
FCUの中核部分であるコイルは、冷水/温水と空気の『熱のやりとり』を行います。
- 冷水コイル:冷たい水が流れ、空気を冷却する。
- 温水コイル:温かい水が流れ、空気を加熱する。
- 空気と水の『熱のやりとり』を行う場所で、FCUの中核部分。
では、どのように空調しているのでしょう?
FCUの冷水コイルには、冷たい水が流れています。
この水と空気が出会うことで、部屋の温度が調整されるんです。
水量で風の『冷たさ』が変わる
たとえば…
- 冷水コイルにたっぷりの水を流して空気を送り込むと、
→ 冷たい風が出てきます。 - 逆に、少量の水しか流さなければ、
→ 空気との熱交換が控えめになり、やさしい冷風になります。
このように、FCUでは「水の量(流量)」を調整することで、室温のコントロールができるんです。
シャワーの水量調整と似ている?
この仕組みは、まるでシャワーの水量を調整して、「ぬるめ」や「熱め」に変えるような感覚に近いです。
- 水を多くすれば、しっかり冷える
- 水を少なくすれば、やさしく冷える
FCUは、水の流れをコントロールすることで、空気の温度をやさしく整える空調機器なんですね。
くわしく、ばるぶちゃんに説明してもらいましょう
ばるぶちゃんのやさしいしくみ講座
FCUの中で「水の流れ」をコントロールするのが私のしごとなの
いつも快適な空間づくりを、水の通り道から支えてるの♪
冷たい風を出したいときは…
冷水コイルにたっぷりの冷たい水を流すと、
空気がしっかり冷えてひんやり快適な風になるよ!
逆に、ちょっとだけ水を流すと、やさしい冷風になるんだ〜。
あったかい風を出したいときは…
温水コイルにあったかい水を流して、空気をポカポカにするよ。
わたしが水の量を調整することで、部屋の温度をちょうどよくできるんだ!
FCUは『水の力』で空気を冷やしたり温めたりするんだ。
わたしが水の量をうまく調整すれば、静かで快適な空間がつくれるよ!
ばるぶちゃんが水の量を調整しても、
ファンくんが空気をうまく動かしてくれないと、快適な風にならないんですよ。
だから、流量と風量はセットで考えるのがポイントなんですね
次に、ふぁんくんにもお願いしてみましょう
弱風でやさしく、強風でしっかり!
使う人の気持ちに合わせて、ぼくが風量をコントロールするよ
ばるぶちゃんとふぁんくんのFCU講座
「わたしが流す『冷たい水』や『あったかい水』で、
空気の温度を調整するのがFCUの基本なの♪
その空気をぼくが風に乗せて、部屋のすみずみまで届けるよ〜!
風量も調整できるから、快適さはぼくらの連携次第だね!
でもね、流量が多すぎるとコイルさんがびっくりしちゃうの。
だから、ちょうどいい量にするのがポイントなのよ〜」
なるほど〜!ぼくも風が強すぎると、
音が気になったり乾燥しすぎたりするから、
やさしい風に切り替えることもあるよ
ふぁんくんって、風を送るだけじゃなくて、
空気の『混ざり方』や『においの流れ』まで考えてるんだね!
そうそう!フィルターちゃんがホコリをキャッチしやすいように、
空気の流れを整えるのもぼくのしごとなんだ〜
じゃあ、今日も『快適チーム』でがんばろうね♪
まかせて!風と水のベストバランスで、みんなに快適を届けるよ〜
まとめ:FCUは「水 × 風」のチームワーク!
- ばるぶちゃんが流す「冷たい水・あったかい水」で空気の温度を調整
- ふぁんくんがその空気を「風」で部屋に届けて快適に
- 風量・流量のバランスが、快適さ・省エネ・静音性を左右する
- ふぁんくんは風を送るだけじゃなく、空気の混ざり方やフィルターちゃんのサポートも担当!
あなたの現場でも「風と水のチームワーク」を見直してみませんか?
「風が強すぎる?」「冷えすぎる?」「音が気になる?」
そんなときは、ばるぶちゃんとふぁんくんのバランスを見直すチャンスです!